吉田寮訴訟 追加提訴の22名を併合 老朽化の度合い争点に
2020.10.01
京大当局が吉田寮現棟の明け渡しを求めて寮生を提訴した問題で、9月18日、第4回口頭弁論が京都地裁で開かれた。被告・寮生側の弁護士が、寮生と大学の契約関係を巡る原告・京大の認識に反論したうえで、現棟は立ち退きが必要なほど老朽化していないとして、改めて請求の棄却を求めた。また、今年3月に当局が新たに提訴した25名のうち22名については、進行中の訴訟に併合されることが決まった。第5回口頭弁論は12月2日、京都地裁で行われる。
第4回弁論は3月11日に予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期され、今回約9カ月ぶりに口頭弁論が開かれた。弁論には被告側から寮生と弁護団の計14名、原告の京大からは代理人の弁護士4名が出席した。提出書類の確認後、寮生の代理人の弁護士が準備書面について説明した。原告・京大は、寮生とは契約関係になく建物の管理者として退去を求めることができると主張しており、これに対し寮生側の弁護士は、国立大学の法人化以降、寮は行政財産ではないため大学は管理者としての権限を持たず、寮生との関係は契約に基づくと指摘した。また、京大は、仮に契約関係が認められるとしても、それは貸主に裁量のある使用貸借契約的だと主張しているが、寮生側は賃料の支払いを伴う賃貸借契約に類似した関係だと指摘したうえで、いずれの契約に準ずるとしても、現棟は解除事由にあたるほど差し迫った倒壊の危険性がないと説明し、老朽化の度合いを争点に据えた。
また、寮生側は契約関係を示す証拠として副学長と寮自治会との確約書を挙げているが、京大は確約書について、大学の中で正式な決済を経ていないと主張している。これに対し寮生側は、担当副学長は決済権限を持ち、実際に確約に基づいて食堂の補修が実現したと説明した。寮生側は次回弁論で、確約書の有効性を巡る主張を補強するため、締結主体としての寮自治会の社団性を説明するとしている。
今回の弁論で、京大当局が3月に提訴した25名のうち22名については、昨年から進行中の20名の訴訟に併合することが決まり、他3名の訴訟は分離された。この3名は元寮生で、うち1名は独自に訴訟を進めるという。他2名はともに大学からの訴えに対して期日までに反論を行わなかった。2名の訴訟は9月30日に結審し、すでに退寮しているものの手続き上は明け渡しが命じられる形となった。なお、併合された22名の中にもすでに退寮した者が12名含まれており、追加での提訴について寮生側の弁護士は「実益がなく、濫訴だ」と批判し、取り下げを求めた。原告・京大はこの日、口頭での弁論は行わず、訴訟の取り下げの可能性について本紙の取材に対し、「係争中の案件に関わるため答えかねる」と回答した。
第4回弁論は3月11日に予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期され、今回約9カ月ぶりに口頭弁論が開かれた。弁論には被告側から寮生と弁護団の計14名、原告の京大からは代理人の弁護士4名が出席した。提出書類の確認後、寮生の代理人の弁護士が準備書面について説明した。原告・京大は、寮生とは契約関係になく建物の管理者として退去を求めることができると主張しており、これに対し寮生側の弁護士は、国立大学の法人化以降、寮は行政財産ではないため大学は管理者としての権限を持たず、寮生との関係は契約に基づくと指摘した。また、京大は、仮に契約関係が認められるとしても、それは貸主に裁量のある使用貸借契約的だと主張しているが、寮生側は賃料の支払いを伴う賃貸借契約に類似した関係だと指摘したうえで、いずれの契約に準ずるとしても、現棟は解除事由にあたるほど差し迫った倒壊の危険性がないと説明し、老朽化の度合いを争点に据えた。
また、寮生側は契約関係を示す証拠として副学長と寮自治会との確約書を挙げているが、京大は確約書について、大学の中で正式な決済を経ていないと主張している。これに対し寮生側は、担当副学長は決済権限を持ち、実際に確約に基づいて食堂の補修が実現したと説明した。寮生側は次回弁論で、確約書の有効性を巡る主張を補強するため、締結主体としての寮自治会の社団性を説明するとしている。
今回の弁論で、京大当局が3月に提訴した25名のうち22名については、昨年から進行中の20名の訴訟に併合することが決まり、他3名の訴訟は分離された。この3名は元寮生で、うち1名は独自に訴訟を進めるという。他2名はともに大学からの訴えに対して期日までに反論を行わなかった。2名の訴訟は9月30日に結審し、すでに退寮しているものの手続き上は明け渡しが命じられる形となった。なお、併合された22名の中にもすでに退寮した者が12名含まれており、追加での提訴について寮生側の弁護士は「実益がなく、濫訴だ」と批判し、取り下げを求めた。原告・京大はこの日、口頭での弁論は行わず、訴訟の取り下げの可能性について本紙の取材に対し、「係争中の案件に関わるため答えかねる」と回答した。