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京大開発の薬剤が心筋梗塞に効果 再灌流障害の新規治療法に

2019.11.01

10月21日、京都大学医学研究科の尾野亘准教授、井出裕也特定助教、木村剛教授の研究グループが、生命科学研究科の垣塚彰教授の開発した薬剤「KUS121」に心筋梗塞モデルにおける梗塞サイズを小さくする効果があることを発見したと発表した。今回の薬剤の臨床応用に成功すれば、心筋梗塞による死者数と不全入院者の数が大幅に減ることが期待できる。

心筋梗塞の治療では、カテーテルを使い血管を広げる治療法が普及している。ただし、この治療では途絶した血流を再開させることで組織が負荷を受ける再灌流障害が問題になっている。研究グループは、再灌流障害の防止を目標に、KUS121が細胞保持機能を持つタンパク質であるVCPによるATP消費のみを選択的に抑えることに着目した。心筋梗塞状態のラットとブタにKUS121の投薬実験を行ったところ、ラットではATPの維持とER(小胞体)ストレスの減少が確認され、ブタでは心筋梗塞後の梗塞サイズの減少が確認された。今後は臨床応用を目指して開発を進めるという。