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iPS研助教 懲戒解雇 実験データを捏造

2018.04.16

京都大学は3月28日、論文不正が発覚したiPS細胞研究所の山水康平特定拠点助教(36)に対して懲戒解雇処分を下した。

山水助教は筆頭著者であった論文において、実験結果からグラフを作る際に数値を改ざんしたという。山水助教らが発表した論文では、iPS細胞から血液脳関門と呼ばれる脳内の構造の作成に成功していた。京大は米科学誌に対し、1月17日に論文の撤回を要請。論文は2月13日付で撤回された。

改ざんや捏造行為は、京大が教職員就業規則で禁止行為として定める「大学の信用を傷つけ、教職員全体の不名誉となるような行為」に該当しているとされる。京大は教育研究評議会の審議を踏まえ、山水助教を同規則にある懲戒解雇処分とした。

なお、京都大学はiPS細胞研究所所長の山中伸弥教授に対しても処分を下したが、処分内容を明らかにしなかった。山中所長は今回の論文不正について、「研究倫理への取り組みをより一層強化し、信頼回復に努める」とコメントした。

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