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アイヌ遺骨問題 面会要求 京大当局は拒否

2017.12.01

「京大・アイヌ遺骨問題の真相を究明し責任を追及する会」は11月24日、本部棟を訪れ、事務総務部や山極総長らに対し遺骨返還に関する話し合いを求めた。これに対して、京大当局は、個別の問い合わせには応じることができないとし、話し合いを拒否した。「追及する会」は、本部棟前で京大の対応に抗議し、話し合いを求める文書を京大へ送付した。

「追及する会」は、アイヌ民族に伝わる伝統儀式「イチャルパ」を実施し、総合博物館にあるアイヌの遺骨などを弔ったのち、本部棟を訪れた。今回の本部棟の訪問には20名ほどが参加し、山極総長や上本伸二医学研究科長ら5人への面会を求める文書を総務部の職員に手渡そうとしたが、総務部職員は現れず、受理されなかった。「追及する会」は、その場で面会を求めたほか、京大の遺骨問題に対する姿勢の批判や、京大へ遺骨の返還をよびかけるなど1時間ほど抗議した。「追及する会」は、差別研究を行ってきたにもかかわらず一切の責任を取ろうとしていないことへの謝罪および賠償、アイヌ民族および琉球民族へ遺骨を返還することの話し合いなどを要求している。

文部科学省によると、京大では今年4月までに実施した調査でアイヌ民族の遺骨87体が京大の学内に保管されていることがわかった。文科省は、研究目的や寄贈によって、アイヌ人骨が学内に保管されるに至ったとしているが、その収拾プロセスや収拾当時の研究者に民族差別などの問題があったのではないかと「追及する会」や学生が指摘している。収拾プロセスが適切であったのかどうかおよびアイヌ人骨の具体的な調査時期に関する本紙の取材に対し、当局は具体的な回答は差し控えると答えた。

同様にアイヌ民族の遺骨を保管している阪大では、アイヌ遺骨問題に関して、職員が面会の上対応し、年内に遺骨問題に関する話し合いを実施することが確約されており、それに向けた調整が進められている。
 
「追及する会」は、「北大人骨問題の真相を究明する会」やピリカ全国実(「北方領土の日」反対!「アイヌ新法」実現!全国実行委員会)で活動している人々および京大のアイヌ問題に関心を寄せる人々から構成されている。

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