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高槻農場の味、知って 生協で特大いちご販売

2008.04.01

農学研究科付属の高槻農場で作られた苺がパフェやケーキとなって生協で提供されている。京大の農場から京大生協へ農産物を直送するのはこれが初めての試みだ。3月いっぱいの期間限定フェアだが、第二弾も既に企画中だという。

 聞いた編集員4名は「農場」と「苺」という言葉に惹かれ高槻へ向かった。渋滞の道を1時間ほど行くと、阪急の線路沿いにビニールハウスや畑、果樹園が広がり、中心に雰囲気の良い建物が佇む京都大学農学研究科附置農場が見えてきた。とても景色が良いところである。
 急な取材依頼のうえに遅刻まで犯した取材陣を含みのある笑顔で出迎えてくださったのは片岡佳子助教(食物生産管理学)。今回、生協に卸すイチゴを栽培している一人だ。肖像権の関係で顔写真の撮影は成らなかったが、丁寧に農場を案内してくださった。
 京大の農場は農学部構内にある京大農場と古曽部町にある古曽部温室、そして高槻にある高槻農場の3つで構成されており、農学専攻の研究や、農学部の学生を対象に栽培技術論などの実習が行われている。
 高槻農場で栽培・研究されているのは稲や麦、梨、葡萄、苺、アスパラガス、玉ねぎ、大蒜など。通常、収穫された農産物の一部は市場に出荷されている。(案外知られていないことでは)
 片岡先生によると、今協側から昨年の秋ごろに産直の企画を持ちかけられ、出荷する農産物の選定から価格の交渉まで手探りでやってきた。昨年は9月の冷え込みが足りず苺の生育が遅れたが、徐々に持ち直し、今回の出荷にこぎつけたという。
 現在、生協に出荷されているイチゴは「さがほのか」と「愛ベリー」の2種。高槻農場では2種を5a(50×10㎡)のビニールハウスで栽培している。収穫しやすいように腰の高さに栽培棚を設置する高設栽培が一部取り入れられている。
 知名度の高い「さがほのか」が比較的栽培し易いのに比べ、愛ベリーは性質の気難しさから一般の農家でもあまり作られていない。土壌や肥料・光量などの環境条件を整えるのが難しいという。特に肥料は、やりすぎると駄目で、必要なときに必要な栄養を与えるように「たずなを引き締める」のが肝心だそうだ。その深紅の実は通常のいちごの2?3倍(sサイズの卵大)と実に大きい。試食させていただいたところ、おいしい。味がしっかりしており甘さと酸っぱさのバランスが調度良い。
 いちごを受粉させるミツバチの巣箱も見せていただいた。いちごは表面のツブツブが果実で、このツブツブから生えている毛(雌しべ)に受粉しなければその部分が固くなってしまうのだ。8000匹のみつばちも大忙しだったことだろう。多くのミツバチが既にご臨終だった。
 気になる売れ行きだが、生協に問い合わせたところ「…」。さらに気になるのは第二弾の産直野菜。片岡先生は「ア○パ○○スで調整中」と極秘に漏らしてくれた。     (ぞ)