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出身校別の延滞率を公表 JASSO「学校との連携強化の一環」 延滞率、京大は全国平均下回る

2017.05.16

大学や短期大学、高等専門学校の学生に奨学金を貸与する日本学生支援機構(JASSO)は4月19日、返還の延滞者数や猶予者数を出身学校別に公開した。延滞を減らすための対策として打ち出した、学校との連携強化の一環と位置付けている。

今回JASSOが開設したサイトでは、2010年度から14年度までに奨学金の利用を終えた者のうち、3カ月以上返還を延滞している人数や在学中につき返還を猶予されている人数といった情報を出身学校別に入手できる。また、15年度の学校別貸与者数を公開しているほか、学生への周知や返還意識向上を狙った取り組みの「好事例」を、学校名を挙げて紹介している。

JASSOの貸与型奨学金は卒業などで利用を終えると返済義務が生じる。15年度の時点で、3カ月以上の延滞者は約16万人にのぼる。毎年度JASSOが実施している調査では、延滞が始まった理由として「家計の収入が減った」が最も多い一方で、「返還を忘れていたなどのミス」も理由に挙がった。延滞者数を減らしたいJASSOは、返還意識向上のために学校との連携を強化していく方針を掲げ、奨学金に関する説明会の開催を各大学に求めるといった取り組みを実施している。今回の情報公開も連携強化の一環という。

京大は、奨学金利用終了者に占める3カ月以上延滞者の割合が学部と大学院どちらも全国平均を下回った。10年度‐14年度に利用を終えた者に占める3カ月以上延滞者の割合は、学部が0・4㌫、大学院が0・2㌫という結果だった。奨学金の返済に関する取り組みとして京大は、卒業予定者への返還説明会を開いているほか、Webサイトで返還を呼びかけている。

【参考】

「学校毎の貸与及び返還に関する情報」
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/gakkobetujouhou/

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