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クスノキ前立て看再撤去 野球部が当局に申し出

2017.02.16

1月20日朝、時計台クスノキ前の巨大立て看板を当局職員が撤去した。硬式野球部が16日にクスノキ前を使用したいと課外活動掛へ申し出たことを受け、設置団体の同意がないまま撤去に踏み切った。看板は教育推進・学生支援部棟(旧石油化学教室本館)の裏庭へ運ばれた。

撤去作業は午前8時ごろから始められ、教育推進・学生支援部の職員らが看板を固定していたロープを切り、看板を台車にのせて、 教育推進・学生支援部棟の裏庭まで運んだ。作業は9時ごろ完了した。

当局は、看板を撤去した理由を全学公式団体からの申し出があったためだと公式ツイッターアカウントとKULASISで公表した。この全学公認団体とは硬式野球部のことだ。野球部は、部の冊子に使う集合写真を23日に撮影するため「クスノキ前に何もない状態で記念撮影したい」と教育推進・学生支援部厚生課の窓口へ16日に申し出た。これを受けて当局は18日、設置団体である「『サル化』する京都大学を憂うゴリラ有志の会」・「中世の大学の良さを取り戻したいスコラ哲学者有志の会 」に対し、翌日19日中に看板の自主撤去を求めるメールを出した。あわせて、自主撤去しなければ強制的に撤去することも伝えた。なお、野球部から2団体への連絡はなかった。野球部は本紙の取材に対して、「課外活動掛で対応すると言われたので、任せていた」と説明している。

通告を受けた2団体は野球部と当局へ看板の移動を週末の21日以降に行うため、強制撤去をしないよう求めた。しかし、通知どおり20日の朝に看板は撤去された。本紙の取材に対し2団体は、「クスノキ前を使用したい他の団体と折り合いをつけながら看板を設置するつもりだ。看板に書いてある連絡先にメールがあれば対応するので、直接やりとりしたい。大学側も、学生の間に割って入るのではなく、自主性・主体性を尊重してほしい 」と話している。

縦4・6㍍、横9・15㍍ の巨大立て看板は昨年10月2日、時計台クスノキ前に設置されたが、職員によって翌朝、破壊・撤去された。2団体が10月31日に再建したものの、12月27日に撤去されて教育推進・学生支援部棟の裏庭へ移されたため、その日の深夜に2団体が時計台前へ移動させ、再設置していた。

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