文化

小中高生の探究活動発表会 新しい世界への扉

2016.01.16

12月26日、京都大学総合博物館が主催する、小中高生の探究活動発表会が芝蘭会館で開かれた。1月27日から始まる特別展「京のイルカと学びのドラマ」に先立って行われた児童・生徒らによる研究の発表会にあたる。大会には、近畿圏内のみならず福島や岡山、広島などからも発表者が集まり、小中高生の探究活動成果発表の場としては過去最大となった。

学校教育の枠組みを超えた新しい学び方の一環として、京都市立日吉ヶ丘高等学校の学生が設営と司会進行を務めた。発表者は3クールにわかれ、山内ホールでポスター発表を行った。また、ポスター発表をより盛り上げるための試みとして、スタンプラリーも開かれた。ポスター発表を聞いたり質問をしたりするともらえるキーワードやシールを集めることで、景品と交換することができる。

発表の内容は、植物の成長メカニズムから知恵の輪が解けない証明、言葉から見る女性への市場拡大と多岐に及び、見学者は興味を持ったポスターの前で発表者との質疑応答を楽しんだ。奈良県立青翔高等学校を中心とするモモの種子の研究では、全国のSSH指定校の協力の下で遺跡から発掘される種子の種類を調査した。SSHはスーパーサイエンスハイスクールの略で、文部科学省による指定を受けて体験学習や課題研究に力をいれる高校のこと。

稲盛ホールでは、中高生によるスライド発表や教師陣によるシンポジウムが開かれた。シンポジウムでは、教職員が自らの立場から探究活動の難しさや意義を紹介した。また、ポスドク問題にも触れ、新たな価値を創造する上での博士号を持つ人間の重要性が挙げられた。

閉会式ではポスター賞の受賞者が表彰され、来場者によって最優秀賞と最優秀交流賞が選ばれた。(鹿)

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