ニュース

熊野寮に警視庁が家宅捜査 報道各社が寮前に大挙

2014.11.16

11月13日午後、京都大学熊野寮に警視庁公安部(東京都)が100名以上の態勢で家宅捜査を行った。熊野寮の地下BOXを利用する団体の構成員が11月2日に逮捕されたことを受け、同施設などを捜査するのが目的。寮周辺には報道各社が大挙して、寮生の制止にもかかわらず撮影などを行った。

警視庁公安部は、70名以上の機動隊と30名以上の捜査員で寮敷地内に侵入した。寮生は、輸送車到着後すぐに、令状の提示を求めて抗議活動を開始。それに対し、公安部は入り口で大学職員に令状を見せただけで読み上げさせなかったため、両者は激しくもつれ合いながら入り口まで移動。入り口で再度令状が開示され、寮生が読み上げた。

令状によれば、今回の捜査の目的は、地下BOXでの資料などの押収等。11月2日に京大生2名を含む3学生が公務執行妨害の疑いで逮捕された件で、被疑者の属する団体が同施設を利用していることを受けたもの。

寮生の要求に従い、寮内へ入り実際に捜査を行ったのは捜査員30数名のみで、機動隊は隊列を組んで駐輪場に待機した。ただし、機動隊は玄関に鉄柵を設置し、寮生らの出入りを妨げた。捜査は、大学職員と寮生の立ち会いのもとで約2時間30分にわたって行われ、11月2日のデモに関連する資料などが押収された。また、捜査員は捜査中に別の令状を取り出し、立会人の身体捜査や個人居室への捜査を行ったため、寮生のさらなる抗議を引き起こした。

寮周辺は数時間にわたって騒然となり、数十名におよぶ報道関係者や報道車、多数の見物人があふれた。大学や寮自治会より先に報道陣が家宅捜査の事実を知り寮前で待機していたこと、寮生の制止にもかかわらず敷地内に入って撮影する者がいたことなどに寮生の追及と批判の声が向けられた。また、家宅捜査の様子は、テレビを通じて報道各社で繰り返し流されるなど、多数のメディアで大きく報じられた。

関連記事