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熊野寮祭 「時計台占拠」参加の京大生 逮捕 寮自治会「厳重に抗議」

2025.11.16

2024年12月2日の熊野寮祭企画「時計台占拠」にて、京大職員へ掛け声をあげながら何者かと共謀して暴行を加えたとして、10月27日、京都府警は参加した京大生1名を暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕した。熊野寮自治会は、時計台占拠は「大学自治が破壊されている現状を変えるための抗議活動」だとしたうえで、大学と警察へ厳重に抗議すると述べた。

「時計台占拠」は、熊野寮自治会が10年以上前からコロナ禍まで毎年実施していた寮祭の企画。24年は3年ぶりに実施され、寮生らが時計台への接近を試みたが、職員や数十人の警官に阻まれしばし衝突状態となった。京大は告示で、同企画を「刑法に抵触する」行為として、事前に不参加を呼びかけたうえで、「危険」または「迷惑」な企画の実施主体や参加者に対して、学内処分や法的措置を行う可能性を示唆していた。

寮自治会によると、逮捕された学生は11日間の勾留を経て11月7日に不起訴処分となった。10日、寮自治会は声明を発表し、▼企画当日、学生らが座り込んで大学へ抗議していたところ大学職員・警察が「暴力的」に排除してきた▼逮捕は「国家権力による不当な大学自治への介入」である▼大学が寮の取り決めを一方的に反故にして団体交渉の再開に応じず、学生弾圧を行っているなどの認識を示し、「京大当局や警察権力を激しく非難する」と述べた。

京大は、当該学生の逮捕について「時計台に梯子をかけて昇降する行為は、一歩間違えば生命・身体に関わる大きな事故につながりかねない極めて危険な行為」であり「注意・制止した大学職員に学生と思われる集団が大勢で体当たりを行うなど職員が暴行を受けたことは誠に遺憾」だとコメントした。なお、暴行を受けた職員に大きな怪我があったことは確認していないという。

今年2月には、22年の「総長室突入」で京大の業務を妨害したとして、京都府警が京大生ら計7名を威力業務妨害容疑で逮捕した。京大は22年の「総長室突入」における7名の行為が「到底看過できるものではない」として、24年2月に刑事告訴していた。本紙の取材に、京大は今回は告訴していないと明かしたものの、警察とのやり取りの有無や、内容については回答を控えた。他の参加者への学内処分について「処分に係る検討や手続きが動いていることも含め、お答えすることはない」と述べた。

寮に家宅捜索も


10月31日、京都府警は当該学生の関係先として熊野寮を家宅捜索した。寮自治会によると、警察は12時頃に寮前に到着し、約20分後に正門前で令状を提示した。捜査員8名が13時頃から捜索を開始し、15時頃に終了した。警察は24年の寮祭パンフレットや中核派の機関紙など3点を押収した。なお、11時53分に大学から寮に通達があり、京大の教職員4名が立ち会った。

今回、機動隊員約50名と捜査員約20名も出動した。これに対して、寮自治会は「捜査に不要な機動隊が大量に来ることは不当である」と述べ、押収品が一般に公開されているものであることにも疑問を呈した。

一方、夜間執行の許可が令状に記載されていなかったことや、捜査に関わった8名全員が警察手帳の確認に応じたことなど、従来と比べると警察や裁判所の対応に変化があったという。「直接的な関係はわからないが、公安委員会への申し立てや家宅捜索時の怪我についての国賠訴訟など、これまでの寮生の行動が実を結んでいる感覚がある」との見解を示した。

「時計台占拠」の様子(本紙2024年12月16日号)

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