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iPS細胞研 JST事業の中核拠点に選出 年最大31億円の助成へ

2013.04.16

独立行政法人・科学技術振興機構(JST)は3月25日、京都大学iPS細胞研究所(所長:山中伸弥教授)を「iPS細胞研究中核拠点」に選出したと発表した。同研究所は今後10年間、iPS細胞ストック開発などにかかる研究費として、毎年およそ27億円の助成を受ける。また特定の疾患における重点的な研究を推進するため、「疾患・組織別実用化研究拠点」として京大のほか慶應義塾大、大阪大、理化学研究所が選出され、毎年4億円程度の支援が最長10年間それぞれに対して行われる。

政府は昨年7月、「再生医療の実現化プロジェクト」(2003~2012年度に実施)に代わる日本再生戦略の一環として、再生医療の研究を対象に、10年程度のスパンでの財政的支援を2013年度より実施することを閣議決定。「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」と称し、「中核拠点」を中心に研究機関をネットワーク化した上で、iPS細胞の安全性や標準化の確立を目指す研究に対し長期的・集中的な支援を行うとしていた。なお今回の決定は「ネットワークプログラム」の内容の一部であり、JSTは4月にも二次公募を行い、拠点などの選出を進める。

iPS細胞関連事業をめぐっては、山中教授のノーベル生理学・医学賞受賞決定直後に、当時の民主党政権が支援を強化する方針を固め、昨年末の政権交代後もこれが維持された。昨年度の補正予算では、「ネットワークプログラム」やiPS細胞研究所の研究棟新築などの事業に対し、およそ214億円が文部科学省から計上された。これに加え、今後10年間で毎年およそ90億円を助成するなど、政府は計1100億円規模の継続的支援を行う方針を今年1月に表明。この方針にしたがい、2013年度予算案では昨年度(対「実現化プロジェクト」)の倍額となるおよそ90億円が「ネットワークプログラム」に対して計上されている。

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