文化

〈教習所体験記〉自動車免許最速取得理論を求めて

2013.04.01

自動車免許を取得するのは思いのほかに面倒くさい。60時間弱の座学や訓練を受けて教習所を卒業し、さらに地元の運転免許試験場で学科試験に合格してやっとこさ免許が交付される。もちろん今は合宿だったり通いだったり、ライフスタイルにあわせて教習所を選ぶ事ができる。とはいえ、どの教習所にも教習期限(およそ9ヶ月)なるものが設けられていて、1日でもオーバーすれば強制退場なので、まとまった時間が不可欠である。したがって、長期的に考えれば可処分時間に満ちあふれた学生時代に取ってしまうのが理想的だ。

しかしながら、この京都というコンパクトで住み良い街に住んでいると、自動車運転の必要性に少々疑問を感じてしまう。それに加え、そもそも学生が自動車を運転する機会なんてたかが知れているから、免許を取るモチベーションが全然あがらない。私も親に説得されてしぶしぶ教習所に通い始めたが、当然ながら全く行く気にならずダラダラと教習を先延ばしにし、金が勿体ないからと期限ギリギリになって必死で受講する始末だった。一部の車好きは除き、京都住まいの学生にとって、免許を取得するインセンティブは乏しいというのが現実だ。

さて、前置きが長くなった。このコーナーでは、そんなちゃっかり入校したけどやる気は微塵もおまへんな学生へ、いかに免許を最速で取得するかを伝授する。出典は、あまりのセンスの無さに教習のハンコを押す欄が無くなり、仮免では数回落ち、最後の学科試験では寝坊したこの私。受けた教習の数に自信があるからこそ出来る、完全主観の最速理論。いつやるか、今でしょ。

教習所選択は経営状態にも目をくばれ!



教習所選び、それは免許最速取得において最重要課題である。例えば、教習1つとっても、厳しいところ、緩いところが存在する。教習所から広告を頂いている以上、紙面上では下手な事は言えぬ。先輩や友人の口コミを頼りに、自分好みの「ゆるそう」な教習所を見つけよう。また、参考資料として府警のHPには教習所別に卒業生の事故率が載っているので上手に活用すべし。

ちなみに、教習所選びにおいては経営状態のチェックも欠かせない。2008年には八王子自動車学校が経営悪化に伴い破産申し立てを行い、多くの教習受講者が受講料を踏み倒されるという事態が発生した。生協斡旋で申し込めば、こうした事態に陥っても生協から返金されるので、学生は生協を通じて申し込む事をお勧めする。

「AT限定」を選択せよ!



最速取得を狙うならば、AT限定免許を選択するべきだ。規定の教習時間数が3時間少なく、その分だけ安い。実際に筆者がMT車を選択した経験から言うと、特に初心者のうちはAT車と比較してMT車はかなり難しい。3時間の差だからと安易にMT車を選択すると、私のように規定時間以上の教習を受けて後悔するハメになる。そもそも日本では今やMT車自体が教習所ぐらいにしかない絶滅危惧種なので、特にこだわりがなければ絶対にAT車を選択すべし。

適性検査は嘘をつけ!



教習所の適性検査では、正直者が馬鹿を見る。「あなたはいつも法律を守りますか」のようなド直球の質問に正直に答えていると、間違いなく運転の適性無しの烙印を押される。優等生のふりをして笑顔で嘘をつきましょう。

余談ではあるが、教育心理学の分野には「人は期待された通りに結果をだす」という実験結果(ピグマリオン効果と言う)がある。指導員に変なバイアスを抱かせないためにも、ほどほどに嘘をつくべし。

仮免試験の鬼門は、ハンドルの回転数で乗り切れ!



仮免試験の鬼門、S字とクランク。私はこれを越えられず仮免試験で何度も落とされた。そこで思いついたのが、事前練習で上手に抜けられた時に、ハンドルを曲げ始めた時の風景とその時にどれだけハンドルを回したかを覚えておくこと。植木や白線を目印にすれば、まず間違いない。指導員によっては、どれだけハンドルを回せばよいか教えてくれる人もいるので積極的に聞いていくべし。

本免許学科試験は「都道府県別」の出題傾向を把握せよ!



教習所卒業後、待ち受ける最後の関門が本免許学科試験。合格ラインは9割。真面目に勉強すれば合格するが、残念ながら私の知人達はみな一回は落ちている。

ところで、この学科試験、実は全国統一ではなく都道府県別で出題傾向が違うのをご存知だろうか。いわく各都道府県の運転免許試験場ごとに数パターンの問題が用意されているのだとか。試験場の近所には、その土地の学科試験に特化した問題集を売っている怪しいお店が必ずあるので不真面目な者は買ってみるべし。ズバリ的中もありやなしや。

〈番外編〉一発試験で最安最速を目指せ!



自動車免許最速取得理論、いかがであろうか。免許だけ欲しいという怠惰な学生の助けになれば幸いである。ただし、実践は自己責任でお願いしたい。

最後に「一発試験」についても触れておこう。「一発試験」とは公安委員会公認の教習所に通うことなく、運転免許試験場で技能・学科試験に直で合格する方法。日本では公認の教習所を卒業すればこのうち技能試験が免除されるため、難易度の高い「一発試験」は忌避されがちだが最安最速で免許取得を目指すなら外せない選択肢である。

必要経費は受験料と免許取得時の講習費用だけ。もし実力不足を感じれば、非公認の教習所に通ってピンポイントで指導を受けることも出来る。指導者が身近にいれば、ぜひとも挑戦してみてほしい。 (羊)

※免許取得後、公道で運転する際は安全運転をこころがけましょう。交通事故を起こしても、筆者は一切の責任を負いません。あしからず!

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