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京大職組 大学当局を提訴へ 臨時給与削減、継続をうけて

2013.04.01

京都大学が昨年8月1日から実施している教職員の給与臨時減額措置について、4月1日以降も継続して実施される事が、3月27日の役員会で決定された。京都大学は今回の継続措置について、減額率は変更せず引き続き2013年4月1日から2014年3月31日まで臨時減額を行うとしている。

「国の厳しい財政状況及び東日本大震災に対処する」ため、昨年2月29日に成立した「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」によって、昨年4月1日から2014年3月31日まで国家公務員の給与は平均7・8%減額されている。これに関連して、国は各国立大学法人に対し、閣議決定の趣旨に沿って、国家公務員の給与見直しの動向を見つつ、各独立行政法人の役職員の給与について必要な措置を講ずるよう要請。これをうけ、大学は昨年8月1日から今年3月31日まで減額率を抑え、教職員の給与臨時削減を行った。

そして、2月5日の部局長会議の直前、大学は京都大学職員組合に対して、臨時減額措置を今年度も継続する方針を説明。また、2月26日には東日本大震災復興時事業に充てる財源確保のため国立大学法人運営費交付金を約300億円削減する補正予算が成立した。

今回の臨時減額措置の継続について、京都大学職員組合は3月5日、江崎信芳理事を相手に団体交渉を実施。組合側は臨時減額措置の延長の撤回と、昨年8月からの臨時給与減額相当分の教職員への返済を要求した。これに対し大学側は震災復興に係る財源確保に協力するため、給与の臨時特例措置を継続して実施する方針であることを説明。また、給与減額の根拠となる運営費交付金削減による給与の支払い能力の有無について明らかにせず、削減された給与が被災地に届いているかどうかに関しては検証しない事を主張した。

国立大学では2004年の法人化以降、教職員については国家公務員法が適用されなくなり、労働基準関連法令が適用される。これにより、今回のような教職員の労働条件の不利益変更については労働契約法第9条が適用され、労働者との合意が必要になる。また、今回の国からの臨時給与減額の要請について、法的な拘束力は存在しない。

昨年8月からの給与臨時減額に関する大学の一連の動きを受け、職員組合中央執行委員会は、全国大学高専教職員組合の提起に応じ、京都大学を相手に提訴する事を決定。3月27日には、近い時期に同じく提訴を行う他の国立大学の組合と共同記者会見を実施した。提訴日は未定であり、現在原告を募っている段階であるという。

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