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新たに肝臓・胃からⅰPS細胞の作成に成功 山中教授ら

2008.02.16

山中伸弥教授の研究グループがマウスの肝臓および胃の細胞からiPS細胞を作製することに成功し、2月14日、その研究成果が米国科学誌『サイエンス』のオンライン速報版に発表された。

iPS細胞は、ヒトやマウスの皮膚細胞にレトロウィルスベクターを用いて4つまたは3つの転写因子を導入することで樹立される。しかし、樹立される確率が0.1%以下であることから、皮膚細胞に微量に含まれる未分化細胞しかiPS細胞に成りえないのではないかと、iPS細胞があらゆる細胞から樹立されるという点を疑問視する声が挙がっていた。また樹立の確率が低い理由として、レトロウィルスベクターが特定の場所に導入されることで、現在報告されている以外の因子が必要であるという仮説が立てられていた。

山中教授のグループは今回の研究で肝細胞からiPS細胞を作製することに成功したが、それに伴って遺伝的な解析を行うことでiPS細胞がある程度分化した肝細胞や肝前駆細胞から樹立されることが明らかになった。また、肝および胃由来のiPS細胞は皮膚細胞由来のiPS細胞に比べてレトロウィルスの挿入数が少ないという利点を活かし、レトロウィルスの導入された場所をすべて解析することで、少なくとも肝と胃の細胞では特定の場所にレトロウィルスが導入される必要がないことを証明した。