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ⅰPS細胞研究の拠点形成へ 「ⅰPS細胞研究センター」を設置、山中教授がセンター長に就任

2008.02.16

京都大学は22日、再生医療への応用が期待される人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究拠点として「iPS細胞研究センター」を設置した。文部科学省から「世界トップレベル研究拠点」として選ばれている「物質―細胞統合システム拠点」の中のひとつという位置づけ。センター長にはヒトiPS細胞作製に世界で初めて成功した山中伸弥教授が就任し、中辻拠点長から人事や財務に関する権限の多くが委譲される。

まず、専任である山中チームと兼任チームの計6チームで始まる。センターの建設完成は2年後をめどにしているため、当面は京都市内にレンタルオフィスを借りるほか京大の関連部局が施設を提供する。研究は大きく応用と基礎に分けられ、前者は臨床応用に向けて安全性を高めるなどの研究、後者は未だ詳細が解明されていないiPS細胞生成のメカニズムを主に研究する。

「iPS研究センター」はiPS細胞を使用する研究者の連携を強めるための「iPSコンソーシアム」における物理的な場としての役割が大きい。山中教授は記者会見のたびにチームジャパン体制の必要性を強調してきたが、センターは研究者同士が直接顔を合わせて議論できるほど密に連携した中核施設となる予定。より安全性などが改良された、最新のiPS細胞をすぐにシェアできるのも魅力のひとつだ。

山中教授はセンターの設立にあたって、「若手の研究者を育て、世界に貢献できる場にしたい」と抱負を語った。

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