脈打つ学知と祭典と 【特集】京大と大阪・関西万博
2025.09.16
「Nプロジェクト」の展示の様子。多くの来場者が生徒たちの語りに耳を傾けた
本紙では8月下旬に会場の夢洲へ赴き、4つの展示を取材した。最先端技術や社会との対話、そしてアート。四者四様の展示の詳細を、世界各国の食事とあわせてお届けする。(編集部)
※本記事について
本紙では、8月19・20日の2日間で取材を行った。9月16日時点で、山口研究室・竹内研究室・Nプロジェクトの展示は既に終了しているので注意されたい。土佐研究室の展示は、10月13日の万博閉幕まで開催予定。(晴)目次
防災研究所・山口研究室 豪雨を「制御」できる社会防災研究所・土佐研究室 胎児に戻れる現代アート体験!?
工学研究科・竹内研究室 「もつれ合う」双子の光子
Nプロジェクト(大阪高校/複合原子力科学研究所・中村助教) 高校生が伝える放射線科学
〈コラム〉世界の美食を求めて――海外料理探訪記
1日目 灼熱の会場 高値には冷や汗
2日目 世界のグルメをつまみ食い
防災研究所・山口研究室 豪雨を「制御」できる社会
温暖化や気候変動が叫ばれる中、ゲリラ豪雨や線状降水帯によって土砂流や河川の氾濫が引き起こされ、尊い命が失われている。こうした自然の猛威を、人間が抑えることは可能なのか。
防災研究所の山口弘誠教授は、集中豪雨のメカニズムの解明や降水量の予測など、豪雨災害に関する研究を進めてきた。近年取り組んでいるのは「豪雨制御」という技術の開発。集中豪雨が発生した際、雨雲の発生や降雨を抑え、被害を最小限にとどめるもので、万博ではこの技術に関する展示を行った。12日間の展示で、展示が行われた建物には約1万1千人が訪れた。
山口教授に展示を案内していただいた。展示で紹介された技術は、雨雲発生の原因になる上昇気流を抑制する「増風機」や「風車」、ドライアイスなどの微粒子を積乱雲に散布し、雨雲の成長を抑える「クラウドシーディング」などの4つ。中でも詳しく紹介されていたのは「洋上カーテン」だ。雨雲は水蒸気を取り込んで大きくなっていくため、水蒸気の供給を抑えれば雨雲の威力は弱まる。そこで海上の船から凧を揚げ、その凧からメッシュ状のカーテンを吊るすことで、水蒸気の供給を抑え、雨雲の成長を抑制することができるという。また、雨雲の発生地点から離れた場所で洋上カーテンを吊るす場合、単なる布よりもメッシュ状の布の方が水蒸気の供給抑制に効果がみられることが、実験装置で紹介されていた。
展示の目玉は、豪雨制御が実用化された未来を描くアニメーションだ。研究者やSF小説家、市民を交えたワークショップでの議論を基にしたという。豪雨制御技術が社会に持ち込まれた時、人々の考え方はどのように変わるのか。本作ではこの問いを描くため、豪雨制御が実用化された2050年の世界を舞台に据える。豪雨制御が社会からの理解を必ずしも得られていない中、豪雨制御の運用方針を議論する市民会議の委員に選ばれた3人の本心に迫る。本作では3人全員が、人間が気象を制御することに抵抗感を示す。実際の技術が描かれるのもワンシーンだけで、豪雨制御の効果を高らかに謳うような趣向ではない。山口教授はこの描き方に関して「良い所だけ強調することはしたくなかった。技術ありきではなく、人間と自然の関係を考えた先に豪雨制御を位置づけたかった」と語った。
取材中、山口教授からは思わぬ発言があった。「私自身、豪雨制御が今必要だとは思っていません」。山口教授によると、近年の集中豪雨の増加は温暖化やビルの高層化など、人間の活動に帰される要因も多いという。集中豪雨を「人間へのしっぺ返し」と形容する山口教授が究極的に目指すのは、豪雨を起こしにくい街づくりだ。リアルタイムで豪雨被害を抑える技術は「最初の一手ではない」という。それでも、地球温暖化によって2050年には豪雨被害が強まることが確実視されており、豪雨制御技術が「最後の一手」として必要になった時のために、研究を続けているそうだ。
山口教授は展示について「皆さん自身が将来の当事者になりうることを考えるきっかけになれば嬉しい」と話した。現在シミュレーションをベースとして行っている研究は、数年後から海上での実証実験を、2040年頃には社会全体を巻き込んだ実験を行い、50年の実用化を目指すという。
アニメーション『TUNE(治雲)― 2050年の豪雨制御』は、こちらからご覧いただけます。
企画展名:フューチャーライフエクスペリエンス
展示名:TUNE(治雲)―豪雨を鎮める気象制御
企画展主催:内閣府
展示期間:8/20~31
会場:フューチャーライフヴィレッジ
展示名:TUNE(治雲)―豪雨を鎮める気象制御
企画展主催:内閣府
展示期間:8/20~31
会場:フューチャーライフヴィレッジ
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防災研究所・土佐研究室 胎児に戻れる現代アート体験!?
防災研究所の土佐尚子特定教授は、アーティストと大学教員の2足のわらじで活動を行っている。土佐特定教授が現在主に行っているのは、超高速で静止画を連続撮影できる「ハイスピードカメラ」を用い、液体などの跳ね・破砕の瞬間や過程を捉える映像制作だ。万博ではこの映像を用い、胎児として子宮の中にいるかのような浮遊体験ができる近未来芸術「Zero Gravity Art」を、TOPPAN、島津製作所との共同研究の成果として展示している。9月1日時点で、8825名が来場したという。
ヘッドホンを耳に、計測器を頭に装着し、全面鏡張りのカプセルの中に立つ。ドアが閉まると、一面に彩り豊かで幻想的な映像が投影された。映像は土佐特定教授が制作した「サウンドオブ生け花」。絵の具や漆などを混ぜた液体が跳び上がる様子を収めており、その形は生け花を思わせる。「人・天・地」という生け花の型を、コンピューターで出力した音の振動を用いて表現しているそうだ。ヘッドホンからは心音や、羊水をイメージしたコポコポという水の音が聞こえてくる。本物の子宮は一面桃色か赤色だろうが、胎児の目にはこう映るのかもしれない。6分程度の不思議な体験だった。
計測器は体験中の脳血流量を測定しており、脳が最も強く反応した映像の一場面を体験後に確認できる。共同研究者の中津良平特任教授によると、脳血流の変化を測定することにより、その人が最も美しい、または価値があると判断した映像が分かるという。また、芸術作品が人間に与える影響を測っていくことで、将来的には「人間が芸術作品を効果的に利用し、自分の感情を制御できるようになるかもしれない」と期待を寄せた。
ところで、映像はどうやって制作したのだろう。後日、京大構内の土佐研究室を訪れ、制作装置を見せていただいた。装置は高さ4㍍ほどで、中央にはアクリルボックスで覆われたスピーカーが吊り下げられている。制作の際は、スピーカーの上に絵の具を載せ、めいっぱいの高さまで上げてから、下へ一気に落とす。すると箱の中で、重力が極めて小さくなる「微小重力状態」が疑似的に発生し、絵の具がふわりと跳び上がる。この一瞬を映像に収めたのが「サウンドオブ生け花」だそうだ。土佐特定教授は本作品を、日本文化をコンピューターを使って表現する「カルチュラルコンピューティング」の一環として制作したという。
土佐特定教授は約40年にわたり、先端技術を用いた芸術・研究活動を続けてきた。声の抑揚から話者の感情を測定するAI、人間のボケにツッコむ「漫才AI」など、かつては音声や感情の認識を主に取り扱っていたという。だが、40代で3年間、アメリカのマサチューセッツ工科大学に滞在したことが転機になった。「海外から見ると、日本の文化がキラキラして見えた。新しいものを生み出すには、コンピューターの外にも目を向けなければ」と思い、日本文化と先端技術を掛け合わせた作品制作に転向した。近年は衣服やガラスアートの制作など、「サウンドオブ生け花」を他の媒体にも応用しており、今後も旺盛に創作活動を続けていくという。
本展示の詳細については、こちらの土佐研究室のサイトからご覧いただけます。
企画展名:フューチャーライフエクスペリエンス
展示名:Zero Gravity Art
企画展主催:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
展示期間:4/13~10/13
会場:フューチャーライフヴィレッジ
展示名:Zero Gravity Art
企画展主催:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
展示期間:4/13~10/13
会場:フューチャーライフヴィレッジ
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工学研究科・竹内研究室 「もつれ合う」双子の光子
全ての物質は原子からなり、その原子は陽子・中性子・電子など、更に細かな単位に分けられる。これらの粒子は、古典力学とは全く異なる振る舞いをとり、「量子」と呼ばれる。量子の中でも、工学研究科の竹内繁樹教授らが注目しているのは、光の最小単位「光子」だ。近年、光子を含む量子の不思議な性質を情報処理や通信、センシングに応用する「量子技術」が活発に研究されている。こうした時節を踏まえ、竹内研では量子の不思議な性質、またそれを応用した技術に関する展示を、実験装置やアニメーションビデオなどを用いて行った。
研究室所属の岡本亮准教授に、展示を案内していただいた。展示は3部構成で、第1部は量子や光子の基礎知識を紹介する。光子の中には同時に生まれた「双子」のものがおり、この2つには「量子もつれ」という特別な関係を持つものがある。「もつれ」という言葉通り、一方の性質が決まると、もう一方の性質も同時に決定することが説明された。
第2部では3つの実験装置を用い、光子が起こす特異な現象を確認できる。第1の実験装置は、双子の光子をリアルタイムで発生させ、そのペアが生み出す「量子もつれ光」をモニターに映し出す。この装置では、2つの光子が放射状に発生し、光子の片方は垂直方向の偏光を、もう片方は逆の水平方向の偏光を持つ。それらをカメラでとらえると、2つの円が現れる。それらの円の交点では、量子もつれを持つ双子の光子が発生しているという。
次のコーナーでは、双子の光子の「量子干渉」を紹介する。量子の世界では、2つの光子がとる異なる過程が干渉しあい、不思議な現象が起きるという。この「二光子量子干渉」を第2の実験装置で確認できた。
第3の装置が実証するのは「ベルの不等式の破れ」だ。古典物理学の理論は、見ても見なくてもあるものの状態は変わらない、という「実在性」と、ある出来事が遠く離れた別の出来事に影響を与えることはない、という「局所性」の両方が成り立つ「局所実在論」で説明できる——クジを引いても引かなくてもそのクジに書かれた内容は変わらず、また、札幌で引いたクジの結果が、同時刻の那覇でのクジの結果に影響を及ぼさないように。この局所実在性が成り立つ場合、「ベルの不等式」も成り立つとされている。ところが量子力学の世界では、この不等式が成り立たないことが実験によって証明されたのだ。岡本准教授によると、この実験を一般向けに展示するのは、知る限りでは世界初だという。
第3部では、量子もつれの性質を用いた「光量子センシング」の技術を紹介する。「光量子センシング」とは、量子もつれなどの量子の不思議をセンシングに応用する技術のことで、将来、手のひらサイズの装置で物質の組成を分析・同定できるようになる「量子赤外分光」や、ものの内部を従来より鮮明に細かく見ることができる「量子光干渉断層撮像」が紹介された。
ここまで展示内容を見てきたが、「量子もつれ」が直観的に理解しづらかったり、装置の構造や実験内容が複雑だったりと、展示内容を1度で完璧に理解することは相当難しい印象を受けた。それでも岡本准教授は「量子について、分かった気になってもらえるだけでも嬉しい」と語る。同時に、展示内容について熱心に質問する来場者が多かったとも述べ、「科学が好きな人は多くいるのだなと感じた」と感慨深げだった。単純明快ではないけれど噛み応えがあり、難解な印象のあった量子科学を少し身近に感じられる、そんな展示だった。
企画展名:エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]×芸術
展示名:光子のふしぎと光量子センシング
企画展主催:内閣府
展示期間:8/14~20
会場:EXPOメッセ「WASSE」
展示名:光子のふしぎと光量子センシング
企画展主催:内閣府
展示期間:8/14~20
会場:EXPOメッセ「WASSE」
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Nプロジェクト(大阪高校/複合原子力科学研究所・中村助教) 高校生が伝える放射線科学
複合原子力科学研究所の中村秀仁助教が、私立大阪高校(大阪市東淀川区)と協働しているプロジェクトがある。中村助教の名字にちなみ、同高校の教頭が名づけた、その名も「Nプロジェクト」。生徒たちは中村助教の専門分野である放射線科学の知識を学んだ後、自らの興味関心に従って自学自習を深める。その成果を自作のスケッチブックにまとめて、近隣住民や小中学生、時には街行く人に向けて語りかける。万博でも来場者に向けて、同様の活動を実施した。
中村助教が重視しているのは「アウトプット」だ。単に知識を入れ込むだけでは、生徒たちはすぐに忘れてしまう。そこで他者に伝えさせることで自学自習を促し、知識が身につくように工夫している。今回の万博では、参加している158の国と地域を各生徒に割り振り、日本語と当該国の言語の2パターンを制作させた。「ここまで多くの国に対応した展示はない」と中村助教は胸を張る。
3年生(理系)の箱ひなたさんは、西アフリカの内陸国・ブルキナファソを担当した。「見えない放射線は空気にもあるの?」というテーマで、見えない放射線が空気中には存在すること、放射線の中には人体に有益なものも存在することを力説してくれた。箱さんによれば、来場者の放射線に関するイメージは「怖いし、見えないからよくわからない」。箱さんはそのイメージを否定せず、一方でレントゲン検査のように、放射線が人体にもたらすメリットを挙げる。「怖いイメージを変えてほしいわけではない。ただ放射線について知ってもらいたい」という思いがモチベーションになっているそうだ。
大阪高校の宮本聡教諭も、プロジェクトの効果を実感している。大阪高校は偏差値40〜50、つまり高校生全体のボリュームゾーンに位置する生徒が多い。宮本教諭は他校でも同じような生徒と接してきたが、「彼らが学業や部活で認められる機会は少ない。どこか冷めた態度を取る生徒も多かった」と語る。しかしNプロを立ち上げて以降は、会話が苦手だった生徒が進んで他者に話しかけることができるようになった。外部の人に褒められることで、「自己肯定感が高まり、生徒たちが劇的に変わった」と話す。万博でも、会場直後は物怖じしていた生徒が、1時間もすると自分から呼び込みを始めたそうだ。「今回の展示は大成功。教員としての達成感はすさまじい」と目を細めた。
6日間の期間中、ブースには約1万人が訪れたという。今後も街角で高校生と共に科学を語りかけるそうだ。「科学は、単なる学問ではなく、世界共通の言語である」と語った中村助教。今後もプロジェクトを通じ、SDGsの第4目標にも記された「質の高い教育」の実現を目指すという。
※Nプロジェクトについては、8月1日号に関連記事「科学の楽しさ 対話で発信万博出展の『Nプロ』実施校に潜入」を掲載しています。公式サイトからご覧になれますので、ぜひお読みください。
企画展名:わたしとみらい、つながるサイエンス展
展示名:先端科学に基づき科学者と文系理系2000名の現役高校生が産学官連携で挑む科学に理解ある社会づくり
企画展主催:文部科学省
展示期間:8/14~19
会場:EXPOメッセ「WASSE」
展示名:先端科学に基づき科学者と文系理系2000名の現役高校生が産学官連携で挑む科学に理解ある社会づくり
企画展主催:文部科学省
展示期間:8/14~19
会場:EXPOメッセ「WASSE」
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〈コラム〉世界の美食を求めて――海外料理探訪記
1日目 灼熱の会場 高値には冷や汗
とにかく暑かった。取材1日目の大阪市の最高気温は35℃。雲一つない快晴で、まさに真夏だった。12時に最初の取材を終え、会場を散策しつつ昼食を探した。ところが、全く食事にありつけない。回転寿司チェーンや各国のパビリオンに付属するレストランなど、店はたくさんあった。だが、どこもかしこも大行列だったのだ。この気温の中で数十分並んで待つなど考えたくもない。どうしようかと彷徨い歩いていたところ、「テイクアウト」の文字が目に飛び込んできた。冷房の効いた屋内での食事を諦め、1800円のやきとり丼と、2800円もする「高級」カツサンドを購入した。どちらもジューシーな逸品だったが、パラソルのかかった屋外のベンチでは十分に味わえなかった。
次の取材が終わったのは15時頃。「冷たいオヤツを食べたい」と、取材場所の近くにあったタイ料理のキッチンカーに足を向けた。車体にはマンゴーかき氷の写真が貼ってあった。これを注文しようと列に並んだが、メニューをよく見てみるとマンゴーソフト載せマンゴーかき氷があった。1980円と値段は張るが、万博でしか食べられないのではないか。そう思ってこちらを注文した。かき氷は想像の3倍の大きさで、マンゴーソースが十分にかかっていた上、マンゴーの果肉があふれんばかりに載り、マンゴーソフトがコーンごと刺さっていた。最後はアイスクリーム頭痛に悶絶しつつ、氷の溶けきったマンゴー汁をすすることにはなったが、大満足の一品だった。
「何が何でも夕飯は海外の料理を」。最後の取材を終えた後、その執念からドイツ館のレストランに続く行列に並んだ。思いのほか行列は早く進み、ものの20分ほどで入店することができた。ドイツビール、ウインナーの盛り合わせ、肉団子にホワイトソースをかけた東プロイセンの郷土料理「ケーニヒスベルガー・クロプセ」など、ドイツならではの料理はどれも絶品だった。特に、牛肉の赤ワイン煮込みは、食べた瞬間に牛肉が舌の上でとろけ、赤ワインの香り漂う濃厚なソースが口の中いっぱいに広がり、感動すら覚えた。会計時には、桁違いかと目を疑ってしまったが、その値段に見合った料理だと言えるだろう。総じて万博ならではの体験だった。(郷)
2日目 世界のグルメをつまみ食い
この日の取材予定は2件。すきま時間に各国のグルメを堪能するため、行きの電車でプランを練る。1食目はマルタの伝統的なパン「フティーラ」に決まった。
強い日差しが照り付ける11時、マルタ館屋外のワゴンでフティーラのサンドイッチを購入。外はパリッと、中はしっとりとしたパンにたっぷり挟まれたツナの塩味がガツンと来て中毒性がある。オリーブとケッパーの風味も良いアクセントになっている。地中海の恵みを存分に味わえる一品だ。
1件目の取材のあとはランチの時間。個人的に以前から気になっていたUAE館で「ラム・ウージ」をテイクアウトした。大屋根リング下の涼しいベンチで頂く。クミンや黒胡椒などスパイスが効いた香り豊かなライスと、旨味が凝縮された柔らかいラム肉のグリルの相性が抜群だ。食べるほどに食欲を掻き立てられ、すぐに平らげてしまった。
もう1つの取材を順調に終え、休憩がてら英国館のカフェでティータイムと洒落こむ。アフタヌーンティーセットは高くて手が出せないので、紅茶とスコーンを注文。濃厚なクロテッドクリームと甘酸っぱいいちごジャムをのせてスコーンを頬張り、紅茶を一口飲んでマリアージュを楽しむ。テラス席で優雅なひとときを過ごした。
空いているパビリオンを巡るうちにすっかり日が落ちた。お腹もすいてきたので北欧館で夕食にすることに。主菜にサーモンマリネ、デザートに北欧発祥の菓子パン「セムラ」を頼んだ。白味噌で和風に仕立てたサーモンは脂がのっているがくどくなく、粒マスタードともよく合う。カルダモンを練り込んだ生地にホイップクリームとラズベリージャムをのせたセムラは、さわやかな甘さでお口直しにぴったりだ。
パビリオンに比べレストランやテイクアウトは待ち時間が少なく、スムーズに利用できた。行列に並ぶのが億劫なら(そしてある程度懐に余裕があるなら)、各国の異文化を味覚で体験するのも手だろう。(鷲)
ちなみにお値段は……
ケーニヒスベルガー・クロプセ:3,900円
ヴェストファーレン風フェッファーポットハスト:4,800円
フティーラ:1,800円
ラム・ウージ:3,000円
スコーン:1,500円
サーモンマリネ:4,600円
(全て取材時、税込)
ケーニヒスベルガー・クロプセ:3,900円
ヴェストファーレン風フェッファーポットハスト:4,800円
フティーラ:1,800円
ラム・ウージ:3,000円
スコーン:1,500円
サーモンマリネ:4,600円
(全て取材時、税込)













