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なぜ家族と育つと花は大きくなるのか 虫や鳥の行動様式にも依存

2025.06.01

京大生態学研究センターの山尾僚教授らの研究グループは、植物が血縁個体と生育する場合の方が、同種の非血縁個体と生育する場合よりも花を大きく咲かせる現象の要因を特定した。従来から指摘されていた利他的な要因に加え、非血縁個体の受粉に便乗するフリーライダー戦略を新たな要因として指摘した。さらにこれらの要因が進化する条件が、植物の血縁認識の精度や受粉を媒介する虫や鳥(送粉者)の行動様式に依存することを初めて特定した。

以前より、血縁個体と一緒に育つ植物は、そうでない場合と比べて花が大きくなることが知られていた。ただこの現象は、自らがより大きな花を咲かせて虫や鳥などの送粉者を誘い寄せることで、他の血縁個体がより多く受粉できるようにするための利他的行動だと考えられていた。

グループは、この利他的行動とは異なり、花が小さくなる要因としての「フリーライダー戦略」を新たに発見した。利他的行動は血縁個体と生育する場合の要因であるのに対し、フリーライダー戦略は非血縁個体と生育する場合の要因である。非血縁個体と生育する際、植物は送粉者の誘い寄せには協力せず、より小さな花を咲かせることで花の生産・維持のコストを削減する戦略だ。

グループは、花のサイズが送粉者の行動や植物の血縁認識の精度によって決まることも明らかにした。シミュレーションによる数理的解析の結果、花のサイズは▼送粉者が大きな花をどれほど強く好むか(個体選好性)▼植物の血縁認識がどれほど精度が高いかによって4つに分類されると判明した。特に血縁個体への利他的行動は、送粉者の個体選好性が低く血縁認識の精度が高いときに獲得された一方、フリーライダー戦略は送粉者の個体選好性と血縁認識の精度がともに低いときに獲得されたとわかった。

本研究成果は、4月21日に学術誌「Journal of Evolutionary Biology」にオンライン掲載された。

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