文化

〈展示評〉水族館で日頃の行動見つめ直す 『もっと知ってね!ケープペンギン』

2025.05.16

〈展示評〉水族館で日頃の行動見つめ直す 『もっと知ってね!ケープペンギン』

京都水族館が飼育しているケープペンギン

3月29日から5月16日の期間、京都水族館(下京区)で特別展示「もっと知ってね!ケープペンギン」が開催された。

京都水族館は50羽のケープペンギンを飼育しており、来館客の注目の的となっている。ただ、野生下では環境破壊や温暖化の影響により、年々数を減らしている。昨年には、国際自然保護連合のレッドリストにおいて、野生絶滅に最も近い「深刻な危機」にレベルが引き上げられた。今回の特別展示では、ケープペンギンについて知ってもらうため、その生態や現在行われている保護活動について詳しく説明したパネルなどが設置された。

また、4月19日には、特別イベント「飼育スタッフに質問!もっと知ってね!ケープペンギン」が開催され、京都水族館の飼育スタッフと東京のサンシャイン水族館の飼育スタッフが対談形式でケープペンギンについて講演した。

イベント内では、好きなケープペンギンのしぐさから、ケープペンギンの直面する現状まで、写真や映像を用いながらさまざまな話題が扱われた。中でも印象的だったのは、ケープペンギンが生息する南アフリカの砂浜に、大量のプラスチックごみが漂着した様子を収めた写真。プラスチックごみをエサと間違えて飲み込むことにより、ケープペンギンの胃や腸が傷ついてしまうことがあるという。私たちの軽率な行為が、遠く離れた地のペンギンたちを苦しめるかもしれないのだ。

見ているだけで癒されるケープペンギン。しかし、今回のイベントを通して、彼らが置かれている現状について知り、自らの普段の行動を見直すきっかけとすることも重要だと気付かされた。

京都水族館は年中無休。入場料は大人2400円、高校生1800円、中・小学生1200円、幼児800円。(梅)

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