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「文系は高収入」は嘘?西村特任教授ら年収の比較調査行う

2010.09.17

8月24日、西村和雄・経済研究所特任教授、浦坂純子・同志社大学社会学部准教授らの研究グループが、全国の大学の理系学部出身者と文系学部出身者の平均年収の比較調査を行い、平均的に見ると理系出身者の方が文系出身者よりも高所得であると発表した。「文系学部出身者は理系学部出身者よりも高所得である」という通説を覆す形になった。

研究チームは2008年6月にインターネット調査会社を通してアンケートを実施し、国内の大学を卒業した就業者1632名から、出身学部や年収などのデータを採った。内わけは文系学部出身者988名、理系学部出身者644名。

この調査によると、理系学部出身者の平均年収は約680万円。一方、文系学部出身者は約580万円と、100万円ほどの差が開いた。また調査結果に基づくシュミレーションによると、平均年収の差は25歳では約60万円なのに対して60歳では約170万円と、年齢を重ねるほど年収の格差は開く一方という結果となった。 

今回の調査結果について、西村和雄・特任教授は「理系出身者の方がより広い職業を選ぶことができ、また文系にはない技能を習得できるため、収入の多い職業に就く可能性が大きくなる。理系は難しいというイメージが根強いが、同時に見返りも大きいという結果になった」と話した。

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