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時計台「占拠」 警察入構し阻止 京大 通報の経緯明かさず

2024.12.16

時計台「占拠」 警察入構し阻止 京大 通報の経緯明かさず

現場の様子を撮影する警官と寮生

12月2日、百周年時計台記念館で、熊野寮生らが時計台の「占拠」を試みた。熊野寮祭企画「時計台占拠」の一環で、実施は2年ぶり。時計台周辺にはバリケードが設置され、職員と警官が、時計台に近づこうとする寮生らと衝突した。警察への通報についての本紙の取材に、京大は回答を差し控えた。

熊野寮祭企画「時計台占拠」は学生が「京大の象徴である時計台を占拠し、学生の場所として開放する」趣旨で毎年行われてきたが、2021年の実施以来2年間中止されていた。今年再開した経緯について、寮自治会は▼過去2年の寮祭における要求が全く無視されている▼国立大学法人法改正で大学執行部の権力が強化された――という見解を示し、学生が「大学の決定権を取り戻す闘いを行う」ことが重要だと、寮内で確認したためと説明した。

2日昼休み、はしごを持った寮生らがスクラムを組んで時計台への接近を試みるも、職員や数十名の警官がこれを阻止し、しばし衝突状態となった。クスノキ周辺には多くの人が見物に集まった。寮生らが「警察は帰れ」「総長を出せ」と声をあげる一方で、警官らは寮生らを制止し「危険なので一般の学生は下がって」などと呼びかけた。本紙が通報の経緯や日時を尋ねたところ、京大は「警察への通報に関する質問には答えかねる」と回答した。

京大は11月27日、告示第11号を発し、熊野寮自治会が「危険な企画や迷惑な企画」を実施してきたとした上で、「危険」または「迷惑」な企画の実施主体や参加者に対して、学内処分や法的措置を行う可能性を示唆した。

京大は告示の中で「刑法に抵触する」行為として、企画への不参加を呼びかけた。これについて、京大は本紙の取材に、建物にはしごで昇降したり、それを助長したりする行為が「建造物侵入として刑法に抵触する」という見解を示した。

また、処分や法的措置に相当する、具体的な「参加」のあり方について尋ねたところ、京大は「状況に応じて判断するため一概には答えかねる」と回答した。寮自治会によると、12日時点で、寮自治会に対して処分の動きや警察からの働きかけはないという。

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