元素測定に新技術、ほぼ全てのスペクトル測定可能に(2009.06.16)

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科学技術振興機構の研究グループは、これまで測定が困難であった元素の測定を可能にする、新しいメスバウアー吸収スペクトル測定法を発見した。メスバウアー分光法は原子価、電子構造、磁性など、物質中のある元素の状態を調べる手法であり、これまでは主として放射性同位体線源が用いられていた。しかし、従来の放射性動態線源で測定できたのは鉄の元素だけであり、他の元素の測定には困難な準備が必要であった。今回の発見によって、既存の検出器を利用した未知物質の測定が可能になった。

メスバウアー分光法では、超微細相互作用という電子系と原子核系の相互作用を利用し原子核の共鳴励起現象を起こすことで、元素の測定を行う。これによって、原子核のエネルギー準位の微細な動きを見ることで、電子系に撹乱を与えることなく情報が得られる。特に、鉄のメスバウアー分光は生物、地球科学分野にも利用され、火星探査機の採取した試料から水の存在を明らかにした事例がある。しかし、以上の手法では、高いエネルギー準位を有する原子核の測定が困難であった。今回、既によく状態が分かっている基準となる物質を用いて、そのエネルギーの差異を測定する方法が開発された。これによって、効率を維持したまま未知の元素測定も可能となる。

今回の発見は、材料科学などの他分野への応用や、複雑なスペクトルの解析、高分子ダイナミクスやガラス転移などの研究進展において活用されることが期待される。

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