見たことのないドラえもんと出会う 「THEドラえもん展KYOTO 2021」(2021.07.16)

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7月10日より、左京区の京都市京セラ美術館で様々なアーティスト達が「ドラえもん」をテーマに制作した作品が展示された、「THEドラえもん展KYOTO 2021」が開催されている。

「あなたのドラえもんをつくってください」

展示室に入ると、まずこの一言に迎えられる。その言葉通り、ひとつひとつの作品が示すドラえもんはどれひとつとして同じものはなく、観る人達が幼い頃から漠然と築き上げてきたドラえもん像は、良い意味で壊されることとなる。

中でも特徴的であった作品を2つ紹介する。

1つ目は、福田美蘭氏の「レンブラント―パレットを持つ自画像」である。「夜警」で有名なレンブラントの自画像の背景には、2つの大きな円弧が描かれている。この作品では、この円弧をドラえもんの手に見立て、嬉々とした表情でポケットを探るドラえもんの姿を描いている。ひとたびこの作品を観ると、レンブラントの自画像そのものを観てもその背景にドラえもんの笑顔を見出してしまうから不思議だ。

2つ目は、佐藤雅晴氏の「かくれんぼ」という映像作品である。ドラえもんが現実の街を、学校を、道を、延々と歩いている。どこかぎこちない歩き方が、あるいは彼が一向に振り返らないために隠され続ける表情が、次第にドラえもんに対してある種の不気味さを与え始める。そして我々は、彼に見つからないように息を潜める。そう、ドラえもんは「かくれんぼ」の鬼なのだ。ドラえもんのいる日常を当たり前に受け入れていたことをどこか恐ろしく感じる一方で、そんな彼と実際にかくれんぼをした感覚を覚え、わくわくせずにはいられない。こういった不思議な感覚を味わえる作品である。

ここで挙げた2作品以外にも多種多様で独創的な作品がたくさん展示されているが、どの作品にも共通してドラえもんへの多大な愛が見て取れる。展示の最後は「ドラえもんがいてくれたらと、今日も思う」という言葉で締めくくられる。ドラえもんを切望して慕う気持ちが作品の根底にあり、それがしばしば、ドラえもんを慕う観客達の心に共鳴する。それでいてこの展示は、子どもやドラえもんファン以外の人でも楽しめるものとなっている。ドラえもんがテーマとしてありつつも、各アーティストが描くものは自由で独創的な視点と発想に溢れており、ドラえもんの芸術作品を観るというよりは、ドラえもんという身近な枠を通じて深い芸術に触れる、そんな展示である。

開催期間は9月5日まで。観覧料は一般が2000円、大学・専門学校生が1500円、高校生が1000円、小・中学生が500円、未就学児は無料である。(滝)

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【一緒に写真を撮ることもできるドラえもん】

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