五月祭復活「人との繋がりできた」 実行委員会に直撃(2021.06.16)

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京都大学法学部五月祭が、6月12日と13日の二日間にわたって開催された。

法学部中庭に設置するステージでは学内から参加を募ったバンドやダンスチームがパフォーマンスを披露し、モルック大会など体を動かす催し物も行われた。同時進行でユーチューブライブを利用したクイズ大会などのイベントを生配信したほか、12日夜に行われたラジオ企画では、法学部に関連したお題による大喜利大会や学内のプロ野球ファンを集めた座談会なども実施した。

もともとは5月に行われる司法試験を受けた学生たちの労をねぎらうために始まったと言われるこの学園祭は、約20年前を最後に開催されておらず、学内外を問わずその実態を詳しく知る人は少ない。ではなぜ、2021年に復活を果たすことになったのか。開催を間近に控えた6月7日、五月祭実行委員会のメンバーにインタビューを行った。(航)

学生主体の対面イベント
「2回生以下の世代は大学での交友関係を作ることが出来ていない。現状を打破するために学生主体で様々な努力が行われる中、五月祭の復活というプロジェクトを考え付いた」そう語るのは法学部2回生の梁瀬雄平さん。大学の授業の大半がオンラインで行われるなか、学生の交流の場を提供することを目指してのことだった。梁瀬さんが昨年10月ごろから温めていたこの案を、学部生が多く在籍するLINEグループやツイッターで周知を続け、対面授業が行われていた今年の4月初旬から活動を本格化させた。法学部教務掛に開催を打診したところ、今年3月に開催を容認されたそうだ。その際に大学側は、コロナ禍により学生間の繋がりが薄くなっているという実行委員会の現状認識に理解を示したという。大学付近に暮らす住民や卒業生から援助される形で得た資金は、野外ステージの設置や感染対策に用いられるアルコール・マウスシールドなどの費用に充てられる。実行委員会が発行する五月祭パンフレットには、援助を受けた飲食店・スーパーの広告を掲載している。

「教務掛からの理解は得ていた」
昨年度の11月祭が延期・オンライン開催となるなど課外活動にも制限がある中、この法学部五月祭は対面での開催に至った。なぜこのようなイベントの実施に踏み切ったのか? 梁瀬さんは「法学部の教務掛からの理解があった」と話す。梁瀬さんによれば、4月中旬に授業形態がオンラインに切り替わったタイミングでも、大学側から中止の要請は来なかったという。

実行委員会は京都府の出すイベント開催のガイドラインに従いつつ、感染対策を徹底する。衛生管理班チーフの2回生中山さんは本紙の取材に対して、「いわゆる三密の回避など、感染対策は手を抜かず行っていく。それでも来場者や関係者に感染者が出てしまうことは考えられるが、保健所や大学への連絡などの対応はしっかりととる」と回答した。

また、昨年度の11月祭開催に関して、梁瀬さんは「個人的には学生に向けた周知が足りていなかったのではないかと思う。しかし、延期を経たとしても中止にだけはしなかったのは賞賛に値する」と述べ、その規模の大きさから五月祭とは次元が違うとしながら、例年通りの形での開催は心待ちにしているとした。

五月祭の開催にこぎつけるのは簡単なことではなかった。「オンライン授業の中、開催に向けた作業を行うことが大変だった」と梁瀬さんは語る。実際、開催は一度の延期を経ている。「4月に動き出した頃は、名前が示す通り5月末に開催するつもりだった。しかしオンライン授業に切り替わってから作業が円滑に進まなくなってしまい、実行委員会内で5月末の開催には間に合わないという見方が強まった。そこで作業時間の確保のため二週間の延期を決めた(梁瀬さん)」

「第二回、第三回と続けたい」
気が早いが、来年以降の開催についても聞いた。「五月祭には長年の歴史があるが、今回は第一回と題した。敢えて以前の続きではないという形をとったが、第一回があるということは第二回・第三回があって当然だと思うし、続けていければいいと思う(梁瀬さん)」

もし来年も開催するとなると、大学との関係も気がかりだ。梁瀬さんによれば、現在は大学からの公認は受けておらず、今後の状況によっては公認を目指すことも検討するという。

「五月祭実行委員会は法学部2回生が主体となって運営する。今後については今の1回生に決定権があると考えているが、次の世代が不自由なく活動できるような組織作りはしてきた(梁瀬さん)」

五月祭はもともと法学部生のための学園祭だったが、今回は地域の住民や他大・他学部の学生の参加も受け付けている。副実行委員長で2回生の和田津さんは、「ここまでの準備でも学生の間につながりが出来た。そのことに貢献できたのは誇らしいし、五月祭を成功させてより多くの人の間につながりができて、楽しんでもらえたら良い」と述べた。最後に、開催を控えた梁瀬さんは五月祭の総合責任者として本紙の取材にこう答えた。「やるしかないという実感がわいている。今は緊張よりもワクワクとした気持ちだ」

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2回生が運営の主体となる実行委員会のメンバーは、例年通りの11月祭を大学生として経験していない。それでも五月祭の実行にこぎつけた彼らの行動力・交渉力・発想力には驚かされた。

なお、取材の翌日となる6月8日に法学部から学生向けに発された「(法学部長より)感染拡大防止のための行動の徹底について(6月8日追記)」には、次のような文言が付されている。

「現在京都大学では、学生の皆さんに対して「有観客での試合、公演、集会など」の自粛が要請されていることを改めてお伝えします。法学部生の責任ある行動を求めます。なお、「京都大学法学部五月祭」とされているようですが、法学部が主催等するものではないこと、施設などの利用について許可をしていないことを申し添えます。」

更に6月14日には、法学部長名義の「『五月祭』対面開催の強行について」と題した法学部生向けのメールで、開催を問題視する旨を通知した。以下に内容を抜粋する。

「全学の課外活動自粛要請に反すること、施設などの利用について許可がないことを知りながら、この間、法学部に対して一切の弁明などをしないままに開催に至ったことは、法学部で学ぶ者の態度として強く非難されるべきものです。また、大学敷地内に無許可でステージを設定したうえ、大音響でライブを行ったことは、平日以外であっても、大学では教育・研究活動が継続して行われていること、図書館で勉学に勤しむ学生がいることを理解せず、学習、教育、研究に多大な支障を生じさせるもので、大学で学ぶ資格すら疑われる所業です。ここに、『五月祭』の運営、実行に関わった者に強い遺憾の意を表し、反省を求めます。」

今回、コロナ下で開催された五月祭に対して、学生たちはどのように見ているのか。また、大学側がこのような見解を示すに至った経緯はどのようなものだったのか? 次号では実行委員会の事後インタビューなどを含めて、続報を掲載する。

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