「学知の植民地主義 反省を」原告・松島氏が意見陳述 琉球遺骨返還訴訟 第5回口頭弁論(2020.03.16)

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京大が所蔵する琉球の遺骨の返還を求める裁判の第5回口頭弁論が2月27日、京都地裁で開かれた。原告は、国際人権法から遺骨の返還請求権が基礎づけられると主張したほか、被告京大側が主張してきた金関丈夫氏による遺骨収集が適法との見解に反論した。また、原告団長の松島泰勝・龍谷大教授が意見陳述を行い、「遺骨の盗掘の大きな原因は学知の植民地主義にあり、京大は過ちを真摯に反省すべき」と述べた(2面に関連記事)。

京大総合博物館には、金関丈夫・京都帝国大学助教授が1929年に沖縄県の百按司墓から持ち出したとされる26体の遺骨が所蔵されている。松島氏や百按司墓に埋葬されていた王家・第一尚氏の子孫ら琉球民族の5名が原告となり、2018年12月に裁判を起こし、遺骨の返還と損害賠償を求めている。

今回の弁論では、まず原告側弁護士が遺骨返還請求権に国際人権法上の根拠があることを説明した。弁護士は、植民地主義に対する地球規模での反省や先住民族が搾取されてきた歴史に対する認識から、自由権規約をはじめとする人権条約や、1993年の「ウィーン宣言及び行動計画」、2001年のダーバン会議、2007年の国連の先住民族権利宣言といった国際会議・合意が積み重ねられ、遺骨返還請求権を含む先住民族の権利が具現化されてきたと述べた。そして、そうした権利の保護・促進・尊重は国際慣習となっているため、日本の裁判所は、先住民族の権利に関する国際慣習法を参照する義務があると主張した。続いて、金関による遺骨の持ち出しについて、「行政機関に許可をとったものであり適法」とする京大側の主張に反論し、金関の行為は当時の刑法においても「礼拝所不敬罪」や「墳墓発掘罪」、「遺骨領得罪」などに抵触する違法行為だと主張した。最後に、原告京大側が、遺骨の返還が困難である旨を述べるだけで和解にも応じられない姿勢を示していることを踏まえ、▼遺骨がどのように保管されてきたか、▼遺骨によってどのような研究をしてきたのか、▼研究によってどのような成果を得てきたのか、▼引き続き占有してどのような研究を行うつもりなのか、釈明するよう求めた。

弁護士に引き続き松島氏が、約10分の意見陳述を行った。松島氏は、1879年の琉球併合以降、琉球諸語の使用を禁止するなどの侵略政策が取られて形成された日本人と琉球人の不平等な関係が遺骨の盗掘につながったと指摘した。また、アイヌや琉球人、台湾原住民などの生身の人間を展示した1903年の学術人類館事件に象徴される、学知が主導する人種差別と植民地主義が、遺骨盗掘の原因となり、日本人類学会や京大においては現在もそれが続いていると主張した。そして、「京大が過ちを反省し遺骨を返還するよう心底から訴える」と締めくくった。

傍聴には学生や教員、市民ら約100名が集まった。次回口頭弁論は6月18日の14時から行われる。

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