チンパンジーの初期神経発生を誘導 霊長類研 iPS細胞を使用(2020.04.16)

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今村公紀・京大霊長類研究所助教らの研究グループは3月17日、チンパンジーのiPS細胞を作製し、初期胚から胎生期にかけて脳が形成される過程である初期神経発生を、誘導・解析することに成功したと発表した。今後、ヒトの脳進化の解明につながることが期待される。

ヒトの知性の起源を研究するとき、現生の種で最もヒトに近縁なチンパンジーと、脳の形成過程やそのメカニズムを比較することが重要だとされる。しかし、チンパンジーやヒトの胚を用いた脳神経の発生研究は、倫理的・技術的な障害があるため、あまり実施されてこなかった。本研究では、チンパンジーのiPS細胞を用いることにより、細胞分化の過程を解析することが可能になった。

本研究グループは、ヒトのiPS細胞の作製方法を参考に、チンパンジーの皮膚から培養した細胞を用いて、チンパンジーのiPS細胞のコロニーを作った。ここで得られたiPS細胞を、神経系の発生を促す化合物を用いて7日間、浮遊培養したところ、神経幹細胞の浮遊塊が形成された。7日間の分化誘導過程を解析した結果、培養1日目から3日目の間、培養3日目から5日目の間にそれぞれ、重要な細胞運命の決定が行われることが分かった。

本研究グループは、今後の展望について、「ヒトの初期神経発生に固有の遺伝子を特定し、それらの遺伝子がどのような機能をもっているのかを解明したい」としている。本研究成果は、2020年2月28日に、国際学術誌「Stem Cell Research」のオンライン版に掲載された。

4月10日11時配信

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