京大当局 吉田寮生を提訴 現棟の明け渡し求め(2019.05.01)

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吉田寮を巡り、4月26日、京大当局は寮生20名を相手取って現棟の明け渡しを求める訴訟を京都地裁に提起した。被告となった20名は、26日時点で現棟に居住していると京大が判断した学生だという。同日、川添信介・学生担当理事は会見を行い、「安全確保のため、これ以上先送りにできない」と述べた。京大によると、京大が学生を相手取って民事訴訟を提起するのは初めてだという。

26日午前、京大は京都地裁に対し、寮生による現棟の占有が不法であるとして現棟の明け渡しを求める旨の訴状を提出した。現棟に関しては、1月と3月の2回、京都地裁が京大の申し立てを受けて占有移転禁止の仮処分を執行し、80名が居住していることが確認された。今回、仮処分をもとに京大が改めて調査を行い、20名を被告として決定した。残りの60名については、引き続き調査を進め、追加で提訴を行う可能性があるという。

寮自治会が交渉の再開を求める中で訴訟に踏み切った理由について川添理事は、「話し合いに応じることによって寮生が危険な現棟で居住する状態が長引くため」と説明した。

提訴以外の解決方法は無かったかと記者から問われ、「イメージを持てない」と述べ、「寮自治会は歩み寄ったと思えない提案しかしてこなかった。我々は対話の可能性は開いてきた」とした。このほか、京大として初めて学生を相手に民事訴訟を提起するに至ったことを踏まえ、教育機関としての大学の責任を問われると、「教育的効果が実らなかったのは反省すべき」と述べた。

今回の提訴については、学内において役員会での決定を経たものの、他の会議体では協議されていないという。また、現棟の老朽化対策について川添理事は、2月12日付の文書で表明した▼収容定員を増やす▼歴史的経緯に配慮するといった方針以外は未定であると説明した。

寮自治会が抗議声明を発表 訴訟の取り下げを要求

4月26日の当局による提訴を受け、吉田寮自治会は5月5日、声明を発表し、「強く抗議する」とし、当局に訴訟の取り下げと交渉の再開を要求した。

声明の中で寮自治会は、京大が学生を相手に訴訟を提起したことを「権力乱用」と批判した。また、入寮選考を行わないことなどを新棟への入居の条件としたことを挙げ、学生の自治を軽視していると指摘した。

寮自治会は、裁判が行われればこれまで主張してきた寮自治会としての意向を述べるとした。その上で、訴訟により寮生の生活に影響が出るほか安全確保が先延ばしになるとの懸念を示し、当局に訴訟の取り下げを求めた。加えて、新棟の建設や食堂棟の補修が話し合いに基づいて実施されたことを挙げ、対話による解決が可能であるとして交渉の再開を求めた。

今回の提訴で、当局は食堂棟の明け渡しも求めている。これを受け、吉田寮食堂・厨房使用者合同緊急会議が7日に声明を発表し、「断固として抗議する」と表明したほか、寮自治会とともに当局との対話を求めるとした。また、5月14日には熊野寮自治会が抗議声明を発表し、当局の対応をハラスメントだと批判した。

教員有志が文書で抗議 申入提出直後の提訴受け

吉田寮を巡り、京大当局が4月26日に現棟の明け渡しを求める訴訟を提起したことを受け、27日、京大の教員有志が緊急抗議声明を発表した。提訴前の24日には、寮自治会との交渉再開などを求めた「吉田寮問題にかかわる教員有志緊急アピール(以下、『緊急アピール』)」と、その賛同者約400名の署名を提出していた。

27日の声明の中で教員有志は、当局が寮生相手に提訴したことに「断固として抗議する」と表明し、「説得の能力を欠いている」と当局を批判した。今後、教員有志は裁判費用の援助を呼びかけていくという。

提訴2日前の24日、教員有志は、「緊急アピール」と申入書を総務課職員に提出し、総長との懇談の機会を設けるよう求めていた。加えて、「緊急アピール」への賛同者名簿及び賛同者のメッセージを掲載した書類も提出していた。「緊急アピール」は2月14日に教員有志が発表したもので、「寮生の安全確保ではなく自治寮の解体が本当の狙いだ」として京大当局を批判し、▼寮自治会との交渉の再開▼退去の要求の見直し▼新棟の継続利用などを求めている。

教員有志は、「緊急アピール」の発表以来、その賛同者を募ってきた。4月11日に京大当局が寮自治会との交渉再開を拒否する旨の文書を発表したことを受け、「緊急アピール」と賛同者名簿の提出を決めたという。4月24日時点で教員や学生ら401人が名を連ねている。

申入書などの提出後、駒込武・教育学研究科教授らは会見を行い、「裁判という手段に出ることをやめさせたい」と述べていたが、その2日後に、京大当局は提訴に踏み切ることとなった。川添理事は26日の会見で、24日の教員有志の申入書について、「承知しているが、現時点でコメントすることはない」とした。

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