〈映画評〉『リトル・フォレスト 夏・秋』(監督:森淳一 主演:橋本愛)(2014.09.16)

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東北に暮らす橋本愛を眺める


いち子は東北の村・小森で農作業をしている。もともと小森で育ち、一度は都会に出た彼女だが、都会暮らしに馴染めず逃げるように故郷に戻ってきた。母親が5年前に家出し、近所の人と関わりながら一人で暮らす――。監督は森淳一。いち子を演じるのは、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013)のユイ役でその知名度を全国的に高めた橋本愛だ。

作中、これといった出来事は特にない。「収穫した作物を料理して食べる」場面がひたすらスクリーンに映し出される。「1st dish」の文字がスクリーンに浮かび上がると、いち子がパンを焼き、頬張る。それが終わると「2nd dish」という文字が出てくる。今度は米サワーを作り、ごくごく飲む。こんな調子で何皿も続いていく。途中途中で近所の人との交流や回想シーンも挿入されるが、基本的には料理場面が繰り返される。何とも不思議な映画だ。

上映時間の120分、橋本愛づくしだ。料理をする他にも、稲刈りをする橋本愛、チェーンソーで丸太を切る橋本愛、手際よく合鴨を捌く橋本愛……。自然豊かな東北の村で、黙々と作業をこなす彼女をスクリーンで眺め続ける。『Give and Go』(2009)でのデビュー以来、多くの映画に出演してきた橋本だが、ここまで彼女がクローズアップされている作品はこれが初めてではないだろうか。いちファンとして、映画館にまた足を運びたくなる。

橋本愛が料理を美味しそうに口にする姿を見ていると、食品・飲料関係のCMキャラクターとしての可能性にも期待が膨らむ。続編「リトル・フォレスト 冬・春」は来年2月14日に公開。(築)

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