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入試問題投稿、予備校生に不処分の決定 京大最後まで被害届を取り下げず

2011.08.14

京都大学の今年度の入学試験において、予備校生(19)が試験中にインターネットの掲示板に出題された問題の一部を、携帯電話を使って投稿した問題について、7月7日、山形家庭裁判所は少年審判を開き、少年に対して不処分の決定を下した。

一般各紙の報道によると、同裁判所は非行事実を認定し、「不正な手段を使ってでも合格したいと考え、発生した結果も軽くはない」とする一方「大学に謝罪文を提出するなど深く反省している。母親も積極的に監督していくことを誓っている」とし、保護処分には当たらないと判断した。

問題が発覚したのは、二次試験の2日目である2月26日。京都大学は試験終了日の翌日28日に京都府警に被害届を出し、3月3日に予備校生が偽計業務妨害の疑いで逮捕された。しかし京都地検が24日、予備校生を京都家庭裁判所に送致したことで、予備校生が刑事裁判を受けることはなくなった。その後案件は山形家庭裁判所に移され、同裁判所が少年審判を開くことを決定していた。

予備校生は早稲田大学、同志社大学、立教大学でも同様の手口で試験中に問題を投稿していた。早稲田大学と立教大学は警察に通報したが、単独犯であること、教育的観点から刑事罰を求めないことから、被害届を取り下げた。同志社大学は被害届を提出していない。

京都大学は現在、入試実施の在り方を検討する委員会を設置し、試験監督の態勢も含めて来年度の入試に反映させるとしているが、詳細は非公開となっている。

今回の決定についての弊紙の取材に対して、淡路敏之理事(教育担当)は「しかるべきときに発表する」としている。

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