宿題したあとサンガ観戦! 会場でサッカー部が「寺子屋」
2024.09.16
試合前の熱気あふれるサンガスタジアム京セラ(亀岡市)の東端に、冷房の効いた勉強部屋が設けられた。小中高生が宿題を手に訪れ、試合直前まで部員が対応した。数学を教わったという亀岡市在住の中学3年生は、「わからなかったところができるようになった」と話す。平日開催で参加は親子7組にとどまったが、担当したサンガ職員の石田達也さんは「集客だけでなく青少年育成の側面が大きく、SNSでも反響があった」と振り返り、「夏休みに限らず継続的に実施したい」と意欲を示した。
サッカー部は以前から大学構内で「寺子屋」や実験教室を開いている。日置晃久主将(農4)は取り組みの狙いについて、「試合に勝って喜んでくれる人の輪を広げたい」と語る。サンガとの縁が生まれたのは2年前。部を盛り上げたいと考えた院生スタッフの酒井雄飛さん(工・博士1)が、Jリーグ・町田ゼルビアの社員となっていた卒業生に相談。プロチームとの協同を模索し、2022年8月にサンガとのクイズラリー開催にこぎつけた。今回、改めてサンガから連絡を受け、部員による宿題相談会をアシストした。自身は23年春に大学のクラブと企業を仲介する団体「UNIFUND」を立ち上げ、学生の地域貢献の可能性を追求しているという。
宿題を終えた子どもたちと部員が見守るなか行われた試合は、サンガが名古屋グランパスと対戦。2点を先行されたものの、相手選手の退場処分で数的有利となり、3点を奪って勝利した。今季は残り9試合。下部リーグへの降格回避に向け、石田さんは「スタジアムは応援の雰囲気も楽しめる。学生のみなさんにも来てほしい」と呼びかけた。