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〈Topic ’24〉夕闇にかがり火 照る 嵐山の鵜飼

2024.08.01

〈Topic ’24〉夕闇にかがり火 照る 嵐山の鵜飼

闇の中、かがり火に照らされる鵜飼の様子

京都市右京区嵐山の桂川にて、7月1日から9月23日まで鵜飼が行われている。鵜飼とは鵜を使った伝統的な漁法のことで、平安時代、嵐山や宇治では公家の遊興として親しまれた。現在の嵐山の鵜飼では、鵜匠が風折烏帽子(かざおれえぼし)、腰蓑(こしみの)という昔ながらの装いをし、平安時代から続く由緒ある鵜飼が行われる。

夏の宵、見物船に乗り込んだ乗客は、船べりにゆったりともたれて、川風に揺られる提灯や船の両側に迫る山肌を見やりつつ鵜船を待つ。しばらくすると、かがり火を灯した鵜船が近づいてきた。鵜は輝くものを口に入れる習性があるため、かがり火で魚の鱗を照らす。炎が周囲を赤く照らし、鵜と鵜匠のシルエットが闇に浮かぶ。鵜飼が始まると、船の縁を櫂で叩く音が小気味よく響き、鵜匠が「居らんか居らんか、獲らんか獲らんか」と鵜をけしかける。鵜が魚を捕らえると、鵜匠がその鵜を抱きかかえ「ご覧あれ」と観客に声をかけてぽんっと鮎を吐き出させ、その度に観客からは歓声が上がった。平安貴族の風雅が味わえる嵐山の鵜飼に、あなたも訪れてみてはいかがだろうか。

7月、8月は19時と20時に、9月は18時30分と19時30分に出船。乗合船は大人2300円、小人1200円、幼児無料。(雲)

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