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引き分けの同時表彰 総合東大戦

2010.02.23

1月23日、京大会館にて2009年京都大学東京大学総合対校戦(総合東大戦)の閉会式が行われた。総合成績が引き分けであったが、両大学の栄誉を称えるために京大体育会・東大運動会に同時表彰された。

総合東大戦とは、これまで京大と東大の各部単位で繰り広げられていた交流試合を両大学対校の総合大会として今年度より始められたもの。運営は両大学の体育会・運動会が行い、今回の主管は京大。競技は38種目予定され、ヨット競技が中止となり、体操女子などが行われなかったものの、去年5月末から12月末まで開催された。

総合東大戦の結果は、大会前半に京大がリードしたものの、後半に東大が追い上げたこともあり、総合成績で17―17の同点(勝敗がつかなかった競技は数えない)となった。同時表彰では、両大学の体育会・運動会にそれぞれ賞状が授与された他、1つの記念トロフィーが両大学の代表者によって一緒に持ち上げられた。閉会式は大会会長、今期と次期の大会実行委員長によるあいさつが行われた他、各競技の試合模様がスライドショーで流された。

あいさつの中で、松田祐作・今期大会実行委員長(京大体育会)は、この大会で大学当局・各クラブのOB会との協力関係・基盤を築けたが、広報による効果がそれほど見られなかったと述べ、四維栄広・次期大会実行委員長(東大運動会)は、東大では学内イベントで告知を行ったところ、総合京大戦の意識が着実に浸透したと述べた。

京大・東大スポーツ対決の決着は2010年度大会に持ち越しになった。


総合東大戦の総評(片山泰貴・京都大学体育会総合東大戦担当)

京都大学東京大学総合対校戦(以下総合東大戦)の記念すべき総合化1年目大会は、17勝17敗の引き分けで幕を閉じた。5月末に行われた第1競技アメリカンフットボールで京大が東大を制すと初秋までの競技では京大が東大を圧倒し、このときは京大の優勝がほぼ決まったかと思われたが、後半の競技では東大が怒涛の反撃で俄かに盛り返した。京大が逃げ切るか、東大が差し切るかの手に汗握る展開となったが、最後のアイスホッケーで東大が京大を下し、2009年総合結果は引き分けとなった。

このように両校の拮抗した実力が示され、記念すべき総合化第1回目に相応しい大会になったのではないか。そもそも、この総合東大戦は体育会クラブにおいて重要な意味を持つ東大戦と呼ばれる東京大学との定期戦を総合化したものである。東大戦はクラブによっては100年以上の伝統を持つ定期戦であり、両校の体育会クラブでは現役、OBともに非常に重視している「伝統の一戦」である。中には「東大(京大)にだけは絶対に負けるな」と現役を叱咤するOBもいるほどだ。

そして、この伝統の東大戦は2009年から総合化されたのである。なぜ今になって総合化を行うのか。それは両大学新入生の体育会離れを食い止め、セミプロ化する大学スポーツに一石を投じるためである。往年は華々しい成績を修めた両大学の体育会クラブであるが、現在では新入生不足に悩むクラブも多くなっている。また、推薦制度等により選手増強を図る私立大学によって、大学スポーツはセミプロ化してしまった感がある。このような現状の中、大学スポーツの在り方に警鐘を鳴らし、真の文武両道をなすべく東大と京大が己の身体で戦う東大戦に今一度、スポットライトを当てたのである。

来年度は東京大学で総合開会式、閉会式、勝敗集計が行われるが、京都で競技を行うクラブも多い。多くの一般京大生が体育会クラブの試合を見に来る、そのような大会に総合東大戦がなることを祈っている。

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