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総長賞、8件・26名へ 体育会はわずか1件

2009.04.04

3月13日、「京都大学総長賞」の2008年度表彰式が行われ、受賞者へ賞状・副賞が伝達された。

総長賞は学業・課外活動・社会活動において京都大学の名誉を高めた個人(学生)・団体へ贈られるもので、今年度は8件・計26名が受賞。昨年12月まで募集し、18件の自他推薦から選ばれた。

表彰にあたって松本紘総長は「8件いずれも、たいへん感心・感激した。誇らしく思っている。学生の模範的な活動をしていただいた皆さんには、今後もこれを契機に発展して、後進に刺激を与えていただきたい」と話した。

副賞は時計台をモチーフにした盾で、鴨川を模した象嵌製エンブレムが施されている。

今回、学業とその他の活動が総合評価されての受賞者が初めて出た。これまでは学業・課外活動・社会活動のいずれかの枠に当てはめて選出していたが、今回は「優れた研究と課外活動を両立」「研究成果をもとに社会貢献」といった総合的な評価が2件あった。

体育会関係は今回1件―それも学業との合同受賞のみ―と低調だった。体育会が昨春より独自の「スポーツ表彰制度」を設けたことで、体育会関係者からの総長賞応募が激減したことが影響している。受賞した大井さんのほか、応募は遅刻提出の1件のみだった。

そもそも総長賞は体育会からの要請がきっかけで設けられた経緯があるが、予想以上に受賞のハードルが高くなったため、体育会は独自表彰に踏み切った。昨年3月には体育会長賞を10名に、優秀賞を5名に授与している。

では“言い出しっぺ”の体育会が独自表彰するようになったいま、総長賞にはどのような役割が見出せるだろうか。なるほど、これまでのように全学的な賞賛に値する受賞実績に対して追従的に授与する役割は大切である。しかし、大学独自の視点を持ち「外部表彰されていないが授与する」役割も重要だろう。

そうした「総長賞以外では表彰されにくい地道な活動を汲みとる」という点で今回、外部受賞歴のない個人・団体へ多数授与した選考委員会の姿勢は、評価されて良いと思う。(梓)



《本紙に写真掲載》

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