保健診療所 1月末診療終了へ 突然の通知に反対の声(2021.12.16)

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京大は、保健診療所での一般診療を2022年1月31日に終了することを12月1日に発表した。8日に補足として発表された情報では、利用者の減少や来年度の学生相談窓口の拡充を理由に挙げている。学内外から反対する声が上がっており、職員組合と2日に結成された「京大保健診療所の存続を求める会」はそれぞれ要求書を提出した。

保健診療所は学内者向けに内科・神経科の診療やその他の保健サービスを実施している施設で、京大の学生・教職員なら相談や診察は無料となる。国民健康保険は適用されないため、健康保険証の提示が不必要である反面、医療費は10割負担となる。1923年に学生健康相談所として開設されたのが始まりで、戦後の混乱による医療需要増加を受け、49年に教職員も対象とする施設として保健診療所に改組された。

神経科、初診継続


1日、京大は診療所のウェブサイト上で、来年1月31日の一般診療に先立って12月8日に神経科の初診受付を終了することを発表した。神経科は睡眠障害や統合失調症のような精神の不調を診断・治療する部門。「求める会」は受付終了を批判し、6日に提出した要求書では学外の精神科は「初診の予約だけで数週間から数カ月待たされることが常態化している」と指摘。保健診療所は予約不要で利用できることをふまえ、「すぐに初診が必要な状態な人にとって、容易に代替が利くものではない」と主張している。8日、京大は方針を変更し、「当分の間」神経科の初診受付を継続することを発表した。

学生相談強化のため


職員組合や「求める会」の要求書では、診療所の存続もしくは代替機関の空白を作らない稼働を求めていた。これに関して京大は8日に補足情報を発表した。京大は診療終了の背景として、▼健康保険適用外であるため患者に金銭的負担の大きい療法の実施が難しいこと▼医師数に限りがあるため十分な診療時間を確保できないこと▼付近の民間医院増加に伴い受診者が減少していることを挙げた。一方でカウンセリングルーム利用者が増加していることに言及して、来年度から各キャンパスに学生相談窓口を新設することを明らかにした。京大は「人員や予算に限りがある中で、できるだけ学生のニーズに応えるための措置」と説明して理解を求めた。また、診療所は完全に閉鎖するのではなく、「健康管理室」と改名して健康診断や診断書の発行など、一般診療以外の業務は来年度以降も続けていくことを併せて告知した。

反対活動


職員組合は7日に出した要求書で、「診療所で診療が受けられることは労働条件の一部。通知は一方的で、労働条件の同意なき変更にあたる」としている。労働安全衛生法第18条では事業所が衛生委員会を設置し、労働者の健康保持促進に関わる重要事項を審議させることが規定されているが、今回の診療終了については衛生委員会での審議がなく、この法律に抵触しうるとの見方を示した。

「求める会」はさらなる働きかけに向けて署名活動をしている。署名サイトChange.orgと会ホームページでの署名があり、学外者には前者を、学内者には両方を呼びかけている。Change.orgの署名は6日の要求書とともに一度提出したが、引き続き集めている。再提出時期は未定。

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【保健診療所受診者数(健康管理部門の年報をもとに本紙作成)】

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