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全学共通科目 前期は教室での試験なし 専門科目は各学部で検討

2020.06.01

京大国際高等教育院は5月12日、今年度前期に実施されるすべての全学共通科目について、新型コロナウイルスの感染防止の観点から教室での試験を実施しないと発表した。専門科目の試験については、多くの部局が本紙の取材に対し「検討中」と回答している。

今年度前期の全学共通科目では、すべての授業で試験を実施せずレポートなどによって成績が評価される。また、一部の科目は、当初の予定で試験期間としていた7月23日から29日までの週にも授業を実施するほか、8月19日まで補講を行う可能性があるという。

全学共通科目の授業を巡って京大は、4月16日に前期すべての科目で対面授業を実施しないと発表した。対面授業や教室での試験について京大は本紙の取材に対し、「今後の状況に変化があっても前期は実施しない」と回答した。先行きが不透明な中、4月や5月の時点で7月末に関する決定を下した理由について京大は、前期の途中で対面形式に切り替えた場合、混乱が生じるほか帰省中の学生が対応できない可能性があるためと説明した。また、早期に判断することでオンライン授業の準備を促す狙いもあったという。

専門科目では、学内のガイドラインに基づき、すべての学部で現状はオンライン形式の授業のみ開講している。ガイドラインについて京大は5月22日、学内全体の活動制限をレベル3からレベル2に引き下げると発表した。ただし、レベル2と3では授業の制限には差を設けていないため、当面の間、授業に関しては現状の対応が続くと見られる。対面授業の解禁や教室での試験について各部局の教務掛は、本紙の取材に対し19日時点で以下の通り回答している。

▼総合人間学部
前期は原則オンラインで実施。試験は対面で実施しないことを想定し、成績評価方法を検討。

▼文学部
ガイドラインの状況にもよるが、前期は対面授業なしの予定。集中講義はまだ検討中。教室試験の可否も検討中。

▼教育学部
現状はオンラインで開講中。前期いっぱい対面なしかどうかは、ガイドラインの状況によるので明言できない。教室試験については未定。

▼法学部
対面授業の解禁や教室試験の実施については未定。今後、感染状況や大学のガイドラインしだいで検討。

▼経済学部
教室試験は実施しない方向で検討中。授業はオンライン形式のみ開講中で、状況によるが、大きな変化がない限り前期はこのままの見通し。

▼理学部
前期いっぱい対面授業なしかどうかは未定。教室試験の可否も状況を見て検討。

▼医学部医学科
対面授業の解禁、教室試験の実施ともに未定。状況を見ながら検討。

▼医学部人間健康科学科
前期いっぱい対面授業も教室試験も行わない。

▼薬学部
今のところオンラインで開講中。府の方針や学内のガイドラインの変更しだいで再検討。一部の実習は6月以降、対面で実施する可能性あり。大阪や兵庫に住む学生が問題なく通学できるかなどもふまえて判断する。

▼工学部
授業は少なくとも前期はオンラインで実施。教室試験も行わない。

▼農学部
状況しだいだが、前期授業はオンラインのみ。実験は開講期をずらすなどして対応。教室試験は実施しない方向で、6月に正式に判断。

6月1日10時30分配信

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