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〈Topic’16〉いしい氏ら、栄えある受賞 河合隼雄物語賞・学芸賞授賞式

2016.07.16

7月8日、第四回河合隼雄物語賞・学芸賞の授章式が行われ、京大仏文学科卒業生・いしいしんじ氏ら受賞者・選考委員が一堂に会した。「悪声」で物語賞を受賞したいしい氏は、河合隼雄の著書を学生時代から愛読していたといい、「光栄なこと」と喜びを語った。一方で、独自の抽象的な世界観を持つ受賞作について「“分かり易く書こう”という標語を机に貼って書いていた」と会場の笑いを誘った。

学芸賞には琉球大学准教授・武井弘一氏の「江戸日本の転換点 ――水田の激増は何をもたらしたか」が選ばれた。学芸賞選考委員の京大総長・山極壽一氏は「研究者の最上の喜びは、常識と思われていた考えが違うと表明した時」と語り、武井氏の着眼点を称賛した。

冒頭では音楽を愛した河合隼雄にちなんでマリンバによるミニ・コンサートが行われた他、詩人の工藤直子氏が乾杯の音頭を取るなど、授賞式は終始華やかな雰囲気の中進行した。

同賞は故・河合隼雄を偲んで創設され、優れた文芸作品に贈られる物語賞、学術研究に授けられる学芸賞がある。(昭)

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