〈Topic ’25〉桜と新緑に彩られ 保津峡の春 嵯峨野トロッコ列車
2025.04.16

車窓から風景を楽しむ乗客
嵯峨野トロッコ列車は、JR山陰本線の複線化によって廃線となった区間の利用を目的に1990年から運行している。沿線に千数百本以上の桜と紅葉の植樹を行い、観光電車として営業を開始した。トロッコ嵯峨駅とトロッコ亀岡駅をつなぐ約7㌔の線路を25分ほどかけてゆっくり走行する。ディーゼル機関車にけん引されて進む、赤と黄色のかわいらしい車体が印象的だ。
車内は裸電球や木製座席のレトロな内装となっており、乗り込むだけで心が躍った。列車が発車するとレンガ積みのトンネルに差し掛かった。沿線内には明治時代のものも含む8つのトンネルがある。トンネルを抜けるたび桜と新緑に彩られた保津峡の絶景が広がり、乗客からも感嘆の声が漏れた。
取材日はあいにくの雨だったが、丁寧な車内アナウンスの説明で、寒さも忘れて風景を楽しむことができた。
乗車には事前予約が必要。1人880円。(林)