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〈Topic ’24〉寛永の秋を偲ぶ 詩仙堂丈山寺の紅葉

2024.12.16

〈Topic ’24〉寛永の秋を偲ぶ 詩仙堂丈山寺の紅葉

縁側から眺めた紅葉

詩仙堂(左京区)では、11月中旬から下旬にかけて、開放的な座敷から紅葉を楽しむことができる。詩仙堂は、徳川家康に仕えたのち文人として漢詩や書道に親しんだ石川丈山によって1641年(寛永18年)に造営された。現在は曹洞宗の寺院であり、丈山寺とも呼ばれる。

叡山電鉄の一乗寺駅から東へ歩くこと約10分、坂の右手にその入口はある。小有洞と呼ばれる小さな門で、くぐって石段を登ると、約400年の時の経過を思わせる素朴な日本家屋が見えてくる。

靴を脱いで中へ入り、書院の縁側に腰を下ろすと、砂紋の美しい枯山水の奥に生い立つ紅葉が見渡せる。座ったままぼんやりしていると、鹿おどしのくっきりとした音が体に馴染む。丈山は作庭にも精通しており、彼自身が設計した庭に出ると鯉の泳ぐ池や茶室を見て回ることができる。頭上からもみじが落ちてきて、秋も去りつつあるのだと確かに感じられる。

紅葉の盛りは過ぎてしまったが、詩仙堂は冬の雪景や夏のサツキなど、一年を通じて情趣に富む。拝観料は大人700円、高校生500円、小中学生300円。(梯)

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