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11月祭 酒類提供が再開 事務局「安全性担保できた」

2024.12.01

11月祭 酒類提供が再開 事務局「安全性担保できた」

吉田南グラウンドの「おまつり広場」で模擬店やステージに集う人々

11月20日から23日にかけて、京大の学園祭「11月祭」が開催された。今年は6年ぶりに酒類提供と飲酒が制限付きで解禁された。事務局によると、外部から持ち込んだ酒類を飲酒した学外の泥酔者が1名救急搬送されたという。事務局はこの事実を重く受け止めるとしつつ、酒類提供の全体的な安全性は担保できたと総括した。

過度な飲酒によるトラブルや泥酔者の救急搬送を受け、2019年度以降、11月祭では酒類の持ち込みや提供が全面的に禁止されてきた。今年は、酒類提供の場所、時間、購入資格、量などに制限が設けられる形で、酒類提供と会場内での飲酒が部分的に解禁された。

具体的には、▼吉田南グラウンド内の事前に選ばれた一部の模擬店のみが酒類を提供▼純アルコール量が15グラムを超える酒類は一度に提供できない▼提供は専用シールを貼ったコップで行う▼購入・飲酒には、身分証明書による年齢確認を経て各日発行されるリストバンド状の「アルコールパスポート」着用が必要▼パスポートには購入杯数を記録する2つのチェック欄があり、各日2杯まで購入できる▼購入は10時から17時、飲酒は18時まで▼吉田南グラウンド外での飲酒は禁止▼酒類の持ち込みは禁止、などとされた。

しかし、事務局によると、22日、外部から持ち込んだ酒類を飲酒した泥酔者1名が、救護本部で応急処置を受けても回復せず、救急搬送された。泥酔者は20歳以上で京大生ではないという。事務局は本紙の取材に、「この事実は重く受け止め、次年度以降の再発防止に努めたい」としつつ、酒類提供を行う模擬店による飲酒トラブルがなかったとして、「(全体的には)安全性を担保しながら酒類提供・飲酒行為を行える環境を作ることができた」と総括した。

11月祭と同日程に北部構内で開催された「北部祭典」でも、アルコールパスポートによる飲酒規制が行われた。もっとも、11月祭とは異なり、杯数ではなくアルコール量に応じて全12のマスが埋められていく形式となっていた。ただ、両祭典のパスポートには互換性があり、例えば11月祭のパスポートが1マス使用されている場合、当該パスポートを回収したうえで、北部祭典のパスポートを6マス埋めた状態で発行するといった対応がとられた。

11月祭事務局によると、模擬店企画の枠数は120、企画登録会で登録された模擬店企画数は244で、倍率は約2倍だった。事務局は、今回の11月祭を受けた課題について、「企画出展が叶わなかった方々の存在を意識し、可能な限り多くの方々が企画を出展できるように努力していきたい」と回答した。

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