アイヌ民族遺骨 北海道への移送に抗議 返還に向けた話し合い求める(2019.12.01)

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11月24日、アイヌ民族の川村シンリツ・エオリパック・アイヌ氏や「京大・アイヌ民族遺骨問題の真相を究明し責任を追及する会」らが京都大学総長・山極壽一氏や総合博物館長・永益英敏氏らに対して、要求書を提出した。総合博物館に収蔵のアイヌ民族遺骨について、「慰霊施設」に移送することをやめ、コタン(「地域」の意)への返還に向けた話し合いを行うこと、謝罪や賠償を行うことを求めた。
京大の調査によれば、総合博物館にはアイヌ民族の遺骨87体やその副葬品が収蔵されている。それらは、1925年前後、京都帝国大学医学部の清野謙次教授(当時)が、研究利用のために墓を掘り返すなどして収集した。

京大や北海道大、東京大など大学で保管されてきたアイヌ民族遺骨を巡っては、政府が昨年に返還のガイドラインを策定した。政府は、各大学が保管している遺骨のうち、「発掘・発見された出土地域が記録などから明らかであるもの」については、申請があれば条件を満たした場合に限り出土地域に居住するアイヌ民族へ返還し、条件を満たさない場合は政府が北海道白老町に建設を進める「慰霊施設」に集約させる方針だ。「慰霊施設」集約後も返還は進められるが、研究利用も検討されており、アイヌ民族からはこの方針に反発の声が出ている。

今回出された要求書は、政府方針が、返還を求める当事者に、申請に当たって「アイヌであることを示す資料」の提示を求めるなどしていることを「差別的」と批判。遺骨を施設へ移送せず、コタンへただちに返還するよう求めている。24日、「追及する会」のメンバーらが総合博物館を訪問し、博物館の事務職員に要求書を手渡した。対応した職員は、保管状況や返還申請について尋ねられても回答を避けたが、北海道への移送時期を問われると詳しい時期については明言を避けつつ「年度内に移送するのは事実」と答えた。

 

大学からの移送進む


大学が保管してきた遺骨を巡っては、北海道大学が11月5日、札幌医科大学が同月19日に遺骨の施設への移送を開始するとともに記者会見を開いた。北大は、遺骨の保管方法について「適切な配慮を欠いており、真摯に反省する」と述べたが、謝罪は否定した。札幌医大は、遺骨収集の手続きが現在の倫理的観点から適切でなく、アイヌ民族の文化ならびに宗教儀礼に関する理解が十分ではなかったと述べ、「アイヌの方々が受けてこられた苦痛と苦難に対し、お詫び申し上げます」と謝罪した。

なお、本紙が独自に入手した資料によると、京都大学は11月26日から27日にかけて、総合博物館に所蔵していたアイヌ民族の遺骨を北海道白老町の「慰霊施設」に移送するスケジュールを立てていた。本紙の取材に京大は、12月1日現在、実際に移送を行ったのか明らかにしておらず、記者会見も開いていない。

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