アイヌ遺骨返還を求め抗議 京大、本部棟を封鎖し拒否(2013.12.01)

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11月22日、「京大・アイヌ民族遺骨問題の真相を究明し責任を追及する会」(以下「追及する会」)が松本紘総長らとの話し合いを求め本部棟に入ろうとしたが、職員・警備員約30名が入口を封鎖していたため、話し合いを行うことができなかった。

京都大学は2011年10月、国の求めに応じ現在京大内に保管されているアイヌ人骨や副葬品などの実態や保管までの経緯を調査する「アイヌ人骨保管状況等ワーキング」(以下「ワーキング」)を組織。「ワーキング」は2012年2月に調査を終了し「アイヌ人骨保管状況等調査ワーキング報告書」(以下「報告書」)を作成。京都大学に現在アイヌ民族の人骨が94体、副葬品が55点、墓標が1点あるとしていた。また保管までの経緯については「研究のための収集」としている。京都大学に保管されているアイヌ民族の人骨は清野謙次元医学研究科教授により盗掘されたものである可能性が高いという指摘があるが、今回の調査において京都大学は「盗掘」かどうかの判断を避けたかたちだ。また国は、今回の調査で身元が判明しなかった人骨・副葬品等については、国が主導して北海道白老町に建設予定の「象徴的空間」に集約し、尊厳ある慰霊を行うとともに研究にも使用できるようにするとしている。これに対して「ワーキング」は「そうした要請に対する大学としての対応を考えるべきである」としている。

「追及する会」は、北大人骨問題の真相を究明する会(※1)やピリカ全国実(※2)で活動してきた労働者、学生、市民、および京大のアイヌ人骨問題に関心をよせる人々からなる団体。同会は10月29日、「京大のアイヌ民族遺骨・副葬品収集について、話し合い(チャランケ)の申し入れ」という文書を京都大学へ提出。申し入れ書の中で「追及する会」は①アイヌ民族の遺骨やその他の地域から来た人骨の追加調査を求めるとともに、盗掘の有無を明らかにすること②「象徴的空間」はアイヌ民族の人骨を今後も研究材料にするためのものであり、国が進める「象徴的空間」建設に反対すること③遺骨をアイヌ民族のコミュニティ(コタン)へ返還するとともに、それまでの間毎年供養祭(イチャルパ)を行うこと④京都大学として近代以降に行ってきた侵略的・民族差別的学問・研究に対する責任を明らかにすること等を主張し、松本総長、有賀哲也理学研究科長、湊長博医学研究科長、服部良久文学研究科長、大野照文総合博物館長との話し合いを11月22日に行うことを要求。

これに対して京都大学総務部総務課は「追及する会」に11月11日付で文書を送付し「本件について個別の問合せ・要望には応じかねます」として話し合いを行わない姿勢を明らかにしていた。

それを不服とする「追及する会」は11月22日に申し入れ書のとおり京都大学を訪れ話し合いを再度要求。本部棟を封鎖する職員・警備員に対して抗議を行うとともに、提出した申し入れ書および「京大の話し合い(チャランケ)拒否回答に断固抗議する」という文書を読み上げるなどした。

また11月20日には京大生有志からなる「京大アイヌ民族遺骨返還問題を考える学生有志」が学務部に「要求書」を提出。①アイヌ民族の人骨が京都大学に保管されることになった経緯、そして京大に保管されている遺骨・副葬品等の実態について、真実を明らかにすること②身元が判明しなかった遺骨を「象徴的空間」へ集約することについて反対し、アイヌ民族のコミュニティへと返還すること③アイヌ人骨問題に関する諸団体の要求に対して誠実な対応を行うこと④京都大学が行った民族差別的研究及びそれがもたらした人権蹂躙、侵略戦争などの被害を二度と起こさないよう京都大学として総括することなどを求めている。

これらの件に関する本紙の取材に対し、京都大学は「本件に関して、京都大学よりお答えすることはありません」と答えた。

(※1)北大人骨問題の真相を究明する会
…1995年に北海道大学で発覚した人骨事件の真相を究明するために結成された団体。
(※2)ピリカ全国実
…「『北方領土の日』反対!『アイヌ新法』実現!全国実行委員会」の略称。

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