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〈Topic ’23〉護法の明王、再び眼前に 仁和寺五大明王壁画 特別公開

2023.11.16

〈Topic ’23〉護法の明王、再び眼前に 仁和寺五大明王壁画 特別公開

国宝に指定されている本堂

皇室ゆかりの古刹・仁和寺(右京区御室)では、初公開まで372年のあいだ秘仏とされてきた、本堂裏堂の五大明王壁画が5年ぶりに特別公開されている。

明王とは、怒れる姿で武器を持ち、仏法に従わぬ者と戦う諸尊である。仁和寺の本堂(金堂)の壁には、代表的な五体の明王が江戸時代の移築の際に描かれたが、5年前まで非公開を貫いていた。

特別拝観では、僧侶の案内で金堂の内部を見学できる。階段を登って入ると、本尊・阿弥陀如来をはじめとする諸仏が並ぶ仏壇が煌びやかにライトアップされている。その裏に移ると、五尊明王が、色鮮やかに壁に描かれている。長年保護されたおかげで彩色は鮮明に残っている。色褪せやすいとされる、皮膚の青色や火炎の赤色も当時の色が変わらず、目をみはるばかりである。さらに、僧侶からは各明王の見た目の由来に関する説明を受けることができる。

また、本堂へ続く道沿いや、本堂の横にはイロハモミジが広がっており、11月中旬に見ごろを迎える。明王の火焔と、緋色の紅葉とで、豊かな色彩を楽しむ秋にしてはいかがだろうか。

特別公開は12月3日まで。拝観料は一般千円、高校生以下無料。拝観時間は11月いっぱいまで10時から17時、12月では16時半まで。(唐)

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