〈Topic ’23〉信長由来の枯山水庭園 見る者の心洗う 真如院 庭園の特別公開
2023.11.01
当院は1560年、13代将軍義輝が本圀寺にて天下太平の祈願を行った際に、共に参詣した後の15代将軍義昭が宿院した寺院である。後の68年に上京した織田信長は、都の人心掌握の一環として義昭の歓心を買う必要があり、代々庭園に深い造詣を持つ足利一族の中でも、特に庭園を愛した義昭に付け入ろうと、真如院に庭園を造形し、彼を招いたという。
当園の特色は、石を鱗形に並べて水の流れを表現している枯山水にある。白砂や小石によって構成される通常の枯山水に対し、当園では平たい石を敷き詰めている。水をリアルに表現するべく、砂を主に利用した室町式の枯山水を発展させ、創作されたためだと考えられる。
院内には人影がまばらに見られ、静粛な雰囲気の中、庭園を眺めながら落ち着いた時間を過ごすことができる。(賢)