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〈Topic ’23〉 「鳴き龍」の本堂 門を開く 相国寺 秋の特別拝観

2023.10.16

〈Topic ’23〉 「鳴き龍」の本堂 門を開く 相国寺 秋の特別拝観

特別拝観で公開される本堂

秋風が爽やかにそよぐ中、上京区の相国寺で秋の特別拝観が行われている。相国寺は室町幕府3代将軍・足利義満の造立した臨済宗の寺院で、寺号は義満の当時の官職名に因む。

今年の特別拝観では、本堂である法堂(はっとう)と、方丈、開山堂の内部が公開されている。法堂は1605年に豊臣秀頼が再建したものが現存し、天井には狩野光信筆の蟠龍図が睨みを利かせる。蟠龍図は、その真下で手を叩くと音が反響し、あたかも龍が鳴いているように感じられることから「鳴き龍」と呼ばれ、見物客は手を叩き体験した。方丈では、輪郭も彩色も法華経の文字で描かれた『法華観音図』(加藤清信筆)が展示されるほか、方丈の前面と背面に対照的な2つの枯山水庭園が広がり、人々は腰を下ろし眺めた。開山堂には初代住職夢窓疎石のほか、相国寺にゆかりのある高僧、公武の諸官の像が安置されている。

10月中旬の今では青もみじの先端が色付き始めている。これから季節の移り変わりにつれ紅葉の色の変化も楽しむことができる。

特別拝観は12月10日まで。拝観料は大人・大学生800円。(唐)

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