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〈Topic ‘22〉ねね最期の地 庭々で心休めて 圓徳院 秋の特別展・ライトアップ

2022.11.01

〈Topic ‘22〉ねね最期の地 庭々で心休めて 圓徳院 秋の特別展・ライトアップ

南庭。境内には約100本の紅葉が植わる

圓徳院(東山区)で、秋の特別展が行われている。本堂の障壁画「白龍図」を手がけた日本画家・赤松燎氏の没後25年特別展とあわせ、夜間には境内をライトアップする。

豊臣秀吉の没後、その正室・北政所ねねは高台院の号を受け、東山に高台寺を建立した。その西側に、秀吉と暮らした伏見城の一部を移築して移り住んだのが圓徳院の発祥である。ねねは19年間この屋敷で暮らし、77歳で死没。1632年、ねねの甥・木下利房がこれを高台寺の塔頭として開山し、圓得院の号を付けた。

入ってすぐの南庭は、ライトアップで白砂の紋様が浮かび上がり、高貴な美しさを放つ。一方で、伏見城から移築された北庭には200を越える大小の石が配され、手つかずの自然がもつ豪放さを連想させる。八坂神社にほど近い観光地にあって、不思議にも心安まる別世界に遭遇したようである。訪れた人々が腰を下ろし、ゆっくりと歓談する姿も見られた。ねねは小さな葉のもみじを愛したという。

ライトアップは12月11日まで。拝観料は大人500円。(田)

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