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正高元教授 懲戒解雇相当 論文4本でデータ捏造

2022.02.16

1月25日、京大は、4本の論文で研究不正が認定されていた正高信男・元霊長類研究所教授に、懲戒解雇相当の処分を下した。処分内容は、京大で実施された調査結果および学内規則に基づいて決定された。正高元教授は2020年3月に定年退職している。

京大は昨年10月に、不正発覚を公表していた。不正が認められたのは、正高元教授が2014年から19年に発表した、大麻の合法成分などに関する論文。20年3月に、学内窓口へ研究の実施を疑う通報が寄せられた。調査の結果、いずれも実験実施の事実自体が認められず、研究結果を捏造したものと認定された。また、正高元教授は、実際には受けていない倫理審査を受審したとして、各論文に架空の承認番号を記載していたことが確認された。なお、不正行為が判明した論文は全て単著であり、共著者が存在する論文では不正は認められなかった。

4論文の撤回について京大に尋ねたところ、本人に勧告して掲載雑誌側にも連絡したと説明したうえで、「以後の扱いは各ジャーナルの判断」と回答した。

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