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霊長類研 元所長ら署名3万筆 再編計画の見直し求める

2022.01.16

京大が霊長類研を事実上解体し新センターに再編する方針を示したことを受け、元所長・杉山幸丸京大名誉教授が代表を務める研究者ら有志は、12月16日、再編計画の見直しを求める約3万筆の署名と要望書を京大に提出した。

研究者有志は要望書で、総合的な研究所として霊長類研が果たしてきた人材育成および先進研究の役割を強調し、文科省が定める共同利用・共同研究拠点としての機能や、フィールド系を併設した研究体制の維持を求めた。野外での実地研究を中心に行うフィールド系スタッフによる、調査地の自然保護や文化交流、現地の研究者養成などへの貢献も指摘した。また、昨年12月時点で11名の教員の人事が凍結されていたことに触れ、教育機能低下を防ぐため、過度の人員削減をせず補充するよう求めた。

霊長類研再編の方針は、霊長類研で起きた一部教員による論文不正および研究費の不正支出を受けて、昨年10月26日に京大が発表した。杉山氏らは、発表に先立つ10月25日からWeb上で署名運動を開始し、11月16日に記者会見を開いて再編見直しを主張していた。

署名簿および要望書の内容を踏まえた今後の対応について京大は、「参考にしつつ設置準備委員会において検討している」と回答した。新センターの共同利用・共同研究拠点への申請についても検討中だという。

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