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〈Topic ‘21〉歴史深い利休の庭へ 大徳寺黄梅院 秋の特別公開

2021.11.01

大徳寺の塔頭のひとつである黄梅院は、1562年に織田信長が父信秀のために建立した「黄梅庵」に始まる。本能寺の変で信長が死没すると、秀吉がこれを増築し、黄梅院とした。

千利休が作庭したとされる「直中庭」は、青々とした一面の苔が美しい枯山水庭園で、庭を囲むように異なった様式の茶室が置かれている。中央の空池は、秀吉の軍旗と同じひょうたん型であり、そこに架かる小さな橋は、伏見城の遺構を用いたものだという。

一方、「破頭庭」には直線の描かれた白砂が広がり、涼しげだ。滝を模した岩から、砂で川の流れが表現され、海を表すこの庭へと続く。簡素に見える庭が、説明を聞くと、雄大な自然の光景に思われてくるのが不思議だ。

黄梅院を訪れたあとは、境内の山門・金毛閣に足を運びたい。利休がこの門を改修するにあたって門の上に自身の木像を設置したことで秀吉の怒りを買い、切腹を命じられる一因となったという逸話が伝わる。

特別公開は12月5日まで、拝観料は大人800円。(田)

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【金毛閣。秀吉は利休像の下を通ることに憤慨したと伝わる】

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