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〈Topic ’25〉連綿と燃える大炬火 今年も 三栖の炬火祭

2025.10.16

〈Topic ’25〉連綿と燃える大炬火 今年も 三栖の炬火祭

行列の先に大きく燃えている大炬火

10月12日、伏見区の三栖神社で炬火祭が行われた。炬火祭では、直径1.2メートル、長さ5〜6メートル、重さ約1トンという巨大な炬火が神輿や剣鉾と共に竹田街道を巡行する。壬申の乱の折に、近江の朝廷へ向かう大海人皇子を、三栖地域の住民が炬火を灯して歓迎したという故実が謂れとされている。

当時は住民の一人一人が手にして、竹田街道の端から端までを照らしたであろう炬火は、今では1本の巨大な大炬火へと姿を変えている。天を衝いて轟轟と燃える大炬火の列に続くのは、地元民もそうでない人も混ざった見物人たちだ。皆一定の歩調で、炬火と神輿の行列を追いかける。闇夜のなかで明るく熱く燃え盛る炎というのは、なぜかそれだけで抗いがたく目が離せない魅力があるものだ、と思わされる大行列だ。大炬火がその場で回転し、火の粉をあげながら舞い始めた。担ぐ人も見守る人も口々に掛け声をあげる姿からは、全員で燃やそう、照らそうとする昔も今も変わらない気概が感じられる。夜長の候、赫赫の炎が伏見の夜空を1年で最も明るく燃やす日だった。(燈)

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