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〈Topic ’25〉もみじの幻想世界 車窓から眺める 叡電 青もみじライトアップ

2025.08.01

〈Topic ’25〉もみじの幻想世界 車窓から眺める 叡電 青もみじライトアップ

貴船口駅でライトアップされる涼しげな青もみじ

7月上旬から8月中旬まで、叡山電車鞍馬線で「もみじのトンネル」の夜間ライトアップが行われている。「もみじのトンネル」は市原駅~二ノ瀬駅間に約250㍍伸びる、およそ280本のもみじに線路が囲まれた空間である。

車両が「もみじのトンネル」に近づくと、車内の様相はがらっと変わる。煌々とした車内灯が消え、暗闇に包まれたことを皮切りに、賑やかだった車内は静まり返る。乗客達は口をつぐんで、意識を車窓の外の闇に集中させた。そのとき、燃えるように鮮やかな緑が視界に流れ込んだ。電車の速度は速く、もみじの形をしっかり捉える前に視界から消えてしまうので、車窓からの景色はさながら若草色の川の中を流れているようだ。しかしよく目を凝らすと、生い茂ったもみじは照射された光をつやつやと弾き、葉自身が発光しているように見える。葉の1枚1枚が内側に秘めた生命力が顕現したらこんな風だろう。窓の外一面の緑光の激流に圧倒されているうちに、「もみじのトンネル」は終わりを告げる。車内には再び灯がともり、乗客たちは夢から目覚めたかのようにぽつぽつと感想を語り合う。深緑の幻想世界を覗き見た盛夏の乗車体験だった。(燈)

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