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〈Topic ’25〉法華経の教え体現する庭 妙覺寺 新緑特別拝観

2025.06.16

〈Topic ’25〉法華経の教え体現する庭 妙覺寺 新緑特別拝観

晩春の日差しに照らされた法姿園

5月1日から31日まで、妙覺寺(上京区)で新緑特別拝観が行われ、苔ともみじの庭園「法姿園」などが公開された。妙覺寺は室町時代創建の日蓮宗の寺院。京都の日蓮宗三具足山の1つである。

法姿園は、本堂の正面に広がる。寺院の庭園といえば、枯山水のような整然と手入れされたものを思い浮かべがちだが、法姿園は一味違う。日蓮宗がよりどころとする法華経の「諸法実相(あるがままで素晴らしい)」という教えに基づき、もみじを数本植えただけでその他には人の手を加えていない。いわば自然任せの庭園なのだ。

本堂から法姿園をのぞいた。青く茂るもみじの葉とその下に生す苔には、作為なき美があった。陽光が射すと青もみじは光を纏い、苔の絨毯にはまだら模様に影が落ちて、綺麗なコントラストが生まれていた。

法姿園があるがままに軽やかに構える一方で、本堂内部には荘厳な雰囲気が漂う。筆者は一見して、両者の間に隔たりがあるように思った。しかし、真逆にも感じられる両者は、法華経に由来するという点で繋がっている。このことに思い至ったとき、足元から深遠な法華経世界が立ち昇ってくる幻影を見た。特別拝観は例年秋にも行われ、赤く色づいたもみじを楽しむことができる。(梅)

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